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Cross Road 第42回 日本の文武両道 
文/吉田 良治

 2月になり日本のプロ野球のキャンプが始まりました。今年はMLBから黒田選手や松坂選手の日本球界復帰、進化し続ける二刀流大谷選手など、今年のプロ野球は春から話題に事欠きません。そして何よりも注目は、京都大学初のプロ野球選手として、ロッテに入団した田中選手でしょう。
 日本では国公立大学の学生がスポーツで活躍すると、『文武両道』ともてはやされます。特に最近は国公立大学の学生の活躍が続いています。例えば同じく京都大学の陸上駅伝チームの平井選手は、大学長距離界でも指折りのランナーで、全日本インカレ1万メートルで2位の実力。ロンドンオリンピックの女子5,000メートルの候補だった鈴木選手は当時名古屋大学、そして今月陸上日本選手権20キロ競歩で優勝した高橋選手は岩手大学で、陸上界では国立大学在籍の選手が活躍する姿を目にすることが増えてきました。
 昨年2月8日に早稲田大学で講演をさせていただきました。昨年4月より早稲田大学が文武両道を基にした、学生アスリートの人材育成プログラム『早稲田アスリートプログラム(WAP)』開始に先立ち、アメリカのライフスキルプログラムの先行事例を早稲田大学の体育会指導者に共有してほしい、ということで、年2回行われている体育会指導者向けセミナー『早稲田コーチサミット』での講演でした。
 日本の学生スポーツ界の雄であり、長年スポーツ強化に力を入れてきた早稲田大学でも、学業とのバランスを重視し始めた背景として、近年の大学生の新卒採用の厳しさには、もはや企業が体育会系を優遇する要素、メリットを感じなくなってきたことも上げられます。学生がスポーツに偏ってしまい、結果的に学力不足を抱えた状態では、受け入れる企業にとって、体力や根性しか売りが無ければ、国際的な厳しいビジネスで対応できない時代になってきたということです。
 ロッテに入団した田中選手は、プロ野球ドラフト前に大手商社に内定が決まっていました。今後は田中選手のような人材を多く輩出することが、日本の大学スポーツ界にも求められるのではないでしょうか。
 大学スポーツのライフスキルの本場、海の向こうアメリカでは、1980年台にライフスキルプログラムが確立され、既に35年が経っています。全ての選手がプロで活躍できるわけではないので、いつ引退してもいいようにその準備をする意味でライフスキルプログラムは、大学スポーツ界全体で取り組むべきものと、全米中の大学に定着しています。
 阪神タイガースのマット・マートン選手は、イギリスタイムズ誌の大学世界ランキング28位(東大は23位、京大は58位)のジョージア工科大学出身です。このレベルの大学で、文武両道(70点以下ではスポーツ参加できない)を実践しなければいけないわけですので、並大抵の努力では成し遂げられません。世界ランキング4位のスタンフォード大学では、多数のプロアスリートを輩出し、オリンピックでも200個以上のメダルを獲得しています。
 日本でも2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ強化が叫ばれていますが、競技力だけでなく、選手が引退した後のこともしっかり見据えた支援プログラムを構築していくことが、世界に日本のスポーツの新たな価値を示すことになると思います。(つづく)


吉田良治さんプロフィール
 1962年生まれ。1998年にワシントン大学へアメリカンフットボーボールコーチ留学。2000年リーグ制覇、2001年ローズボウルに出場し、ローズボウル制覇に貢献。国家レベルのリーダーシップ教育に貢献した、ランブライト元ワシントン大学ヘッドコーチよりリーダーシップ教育を学ぶ。
 全米の大学で人格形成プログラム普及に貢献した、ライス元ジョージア工科大学体育局長よりライフスキル教育を学ぶ。

吉田良治さんBlog
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