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算数・数学から見えてくる世界 
文/学林舎算数・数学顧問  深見 和孝


 前回のコラムでは、全国学力テスト算数B(小学6年生用)の割合の問題を取り上げて、正答率からわかることをあれこれ考えてみました。今回のコラムはその続きです。改めて、問題をご紹介します。

【問題】使いやすい箸(はし:ご飯を食べる箸です)の長さの目安は、「一あた半」(ひとあたはん)と言われています。一あたは、親指と人差し指を直角に広げたときのそれぞれの指先を結んだ長さです。(私の場合は、およそ18cmです。)一あた半は、一あたを1.5倍した長さです。
 Aさんは妹の箸を買いに行くのに、一あたの長さについて調べると、「一あたは、身長の約10%の長さ」とわかりました。妹の身長は140cmです。
 妹の身長と、使いやすい箸の長さの目安をもとに、一あた半の長さを求めると、箸の長さは約何cmになりますか。求め方を言葉や式を使って書きましょう。また、答えも書きましょう。


 文科省公表の正答率によれば、「妹の一あたの長さは、140×0.1=14で、約14cm」と途中までできた生徒は60%強いますが、続けて「妹の一あた半の長さは、14×1.5=21で、約21cm」まで正答した生徒は33.3%にとどまったとのことです。
 単純に見れば、「140cmの10%」→「140×0.1=14cm」はできたけど、「14cmの一あた半」→「14×1.5=21cm」ができなかった生徒が30%程度いたといえます。そうすると、予想外の正答率の低さ(私は60%程度と予想しましたので)の原因は、「一あた半」を式に表すことが難しかったということでしょうか。まあ、問題文をろくに読んでいなくとも、「身長の約10%の長さ」の部分から、「140cmの10%」→「140×0.1」という式はつくれます。○○の□%は、俗に「の・がけ」とよばれるもので、「の」→「×(かけ算)」のパターンに当てはめた生徒は多いと思います。しかし、問題全体をちゃんと読みとっていないと「一あた半」を求める式をつくるところまで至らないようです。
 教科書や問題集で慣れている問題と比べたら、なかなかの長文の問題ですし、「一あた半」という初めて目にする割合に対応することは小学生にとって難しいことなのでしょう。作問者がそのあたりのところまで計算にいれて問題をつくったのだとしたら、上手くつくっているなあと感心します。この問題ならば、割合を正しく理解できている生徒だけが正解に至るのだろうと思えますし、結果、正答率33.3%は「割合を正しく理解できていない生徒が多い」ことを示しているのだろうと思います。
 では、割合を正しく理解するとはどういうことなのでしょうか。私の考えでは、「の・がけ」のような計算で済ませているのでなく、割合の大きさをイメージできていることが肝要です。割合をイメージしながら文章が読めて、それを式に表せるかどうかが、作問者の意図であるのだろうと思います。

【割合のイメージ〈例〉】



 実際に、子どもが問題を解く様子を観察してみれば、いろいろと発見できることがありそうですね。割合にどんなイメージをもっているのか、興味深いところです。では、今回のコラムはこれでおしまいです。(つづく)

*学林舎では、割合に焦点を深見先生著作の算数のほんね「割合の世界」を販売しております。割合に対する理解度を深めるための導入型の教材です。



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