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第46回 企業の新卒採用への新たな対応 文/吉田 良治


 大手企業を中心に大学生の就職活動で企業説明会が、今年から3年生の3月に解禁となりました。数年前には3年生の秋口から始まっていたことを考えると、約半年近く遅くなったわけです。こうした企業側の動きには、長期化する就活により、学生が大学で学ぶ時間を守る意味もありました。実際、学生が最長1年半にも及ぶ就活に翻弄され、大学の授業に出席できないと言った問題も起こり、ゼミが成り立たない!卒論も取りやめる!という深刻な状況も背景にありました。もちろん、「企業の新卒採用活動を遅くする」ということが解決のすべてではないにしても、学生が授業そっちのけで企業訪問に明け暮れる状況は、大学教育の価値そのものの低下を意味します。
 今後も色々試行錯誤していく中で、ベストな就活のあり方が求められます。
 ところで企業の新たな動きとして、始業時間を早めたり、残業時間を夜から朝始業前にする、いわゆる朝型勤務が注目されています。2013年に伊藤忠商事が夜の残業を朝にシフトすることで、効率化を図るとともに、トータルで残業時間も削減することで、社員がプライベートな時間を創造し、メリハリのあるライフスタイルを送ることを奨励しました。最近では政府も官民を挙げてこの朝型勤務を支援する動きがあります。国家公務員もこの夏から朝型勤務を導入、経済団体にも朝型勤務の普及を働きかけています。近年問題となっているブラック企業で取り沙汰される、長時間勤務のリスクに繋がる恐れはありますが、朝型勤務の本来の趣旨は、早く仕事を開始して、早く仕事を終えることであり、企業における社員の効率的な働き方を確立し、プライベートな時間において、ライフスタイルを健全なものとすることです。経営側も従業員側も、その趣旨を理解し、健全なライフスタイルを創造し、定着させる努力が必要です。
 高校までは毎朝8時台から授業がありました。12年間かけて定着した朝型の生活習慣も、大学生になると自由に授業が履修できます。そのため朝一番の授業を敬遠する学生も少なくなく、大学に通学する学生のラッシュアワーは、通勤のものと比べ2,3時間遅い、というのが一般的なようです。最近では大学がワンコイン(100円)朝食を提供し、学生に1時限目からの授業へ出席を促しています。これも一つのモチベーションとしては有効な手段とも言えますが、質のある朝食を提供するとなると、経費的には赤字となります。結局大学が負担するか、父母などが援助することになります。重要なことは学生が自分からこうありたい!というものをもって、朝からの時間を有効に使わなければ、一時的なブームで終わってしまいます。
 アメリカでは大学の授業開始は朝8時から、というのが一般的です。アメリカでも若者の睡眠不足の問題が噴出しており、高校などでは始業時間を遅らせるべき、という意見もあります。1日24時間は世界中同じです。どのようなライフスタイルを選択するかは個人の自由ですが、一日の始まりを企業や学校が示し、それに合わせて社員や学生が、自分から必要なライフスタイルを確立することが重要です。
 ともかく日本の企業が始めた朝型勤務により、今後企業の新卒採用の基準は、大学生時代に規則正しい生活習慣が身についているかどうか、ということも判断材料となるかもしれません。ワンコイン朝食で釣られるのではなく、もっと大きな視点で生活習慣の見直しが無いと、化けの皮はすぐはがれます。(つづく)




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