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国語を考えてみる ああ、素晴らしき哉、日本語N
文/学林舎国語顧問  森本 秀俊


 私はマンションに住んでいますが、朝にごみを捨てに行くとき、時々通学中の小学生たちとすれ違うことがあります。その子たちが「おはようございます」と大きな声であいさつをしてくれると、その日一日が気分良くスタートします。今回はあいさつの語源について見ていきましょう。
 
 「おはよう」は「お早く○○ですね」という言い方の「お早く」が転じて「おはよう」となったそうです。「お早くからお仕事大変ですね」「お早くからいらっしゃっているのですね」などと、相手への敬意を示す言葉だそうです。
 
 別れのあいさつである「さようなら」は,「左様ならば」という言葉の「ば」が省略されてできた言葉だそうです。「左様ならば」は「そういうことならば」という意味を表しています。別れ話になって「そういうことならばしょうがない」ので、あきらめて別れましょうという気持ちがふくまれているとも言われています。最近の若い人たちは、「さようなら」とはあまり言わず、「じゃあね」とか「またね」とか使いますね。無意識のうちに、「さようなら」の中にあるネガティブな意味をさけているのかもしれません。
 
 「ただいま」の語源はいろいろな説があるようです。その中で興味深いものは、「たらい間」という言葉を語源とするというものです。「たらい間」とは、昔、帰宅したときに、たらいで足を洗いながら、家の人たちとその日の出来事を会話する時間を意味していたそうです。「たらい間」が転じて「ただいま」となったという説は、なるほどなあと感じさせます。

 「ただいま」に対する「おかえり」という返答のあいさつですが、これにはおもしろい語源の説があります。室町時代の九州の小さな大名であった岡信綱は、その領土を守るために毎日のように厳しい軍事訓練をくり返していました。そんな訓練に参加した家来たちの心の支えとなったのが、信綱の一人娘である絵里姫だったそうです。訓練で疲れ切った家来たちにとっては、城で出迎える絵里姫の清楚な姿が癒しになっていたそうです。「岡絵里」から「おかえり」。これはちょっと疑わしくもあります。

 「ありがとう」は「有り難い」という言葉を語源としています。「有り難い」は「有ることを欲していてもなかなか困難で実際には少ない」という意味です。だから、めったにないことをしていただいて、感謝しておりますという気持ちがこもった言葉なのですね。
 「ありがとう」と言われたときに、「どういたしまして」と答えますが、この言葉はどのようにしてできたのでしょうか? この言葉を細かく分析すると次のようになります。「どう(どのように,何を)」+いたす(するの謙譲語)+ます(丁寧語をつくる助動詞)+て(反問的用法の助詞)」。これは「何をしたというわけでもありませんよ」ということを意味しています。「たいしたことはしていないので、気になさらないでください」という気持ちを相手に伝える言葉なんですね。
 
 いろいろなあいさつの語源について見てきました。何か施しを受けて「有り難いようなことをしてもらい深く感謝しています」と言い、相手は「たいしたことではないから気になさらないでください」と答える。あいさつは、人と人をつなぐ大切なかけ橋だということがわかります。

 ああ、素晴らしき哉、日本語。(つづく) 




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