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○算数・数学から見えてくる世界 
文/学林舎算数・数学顧問  深見 和孝

 今年度(2015 年)から小学校の教科書の内容が変わり、中学校でも来年度(2016 年)から使用される教科書について内容が変わります。といいましても、学習項目が大きく変わるようなものではなく、数学の教科書に関していえば調整程度の小改訂にとどまります。北岡さん(学林舎)から「中学校の数学教科書の変更点について書いてほしい」との要望があったのですが、残念ながら、これといって取り上げるようなネタもなく、どうしたものか、思案しています。
 中学数学の教科書は、計7社の出版社から検定を通ったものが発行されています。数学の教科書だけで7種類もあると聞いて、多くの方が「そんなにたくさんあったの!」と思われるのではないでしょうか。それだけ種類が多いのならば、それぞれに個性のあるものになっていそうなものですが、学習項目は指導要領で定められますので、はっきり言ってどれも似たり寄ったりです。むしろ、改訂されていくにつれ、どの出版社の教科書も似たような内容になってきているように思えます。テレビ局がどこも似たような番組をつくりたがるような感じです。
 さて、教科書が7種類あるといいましても、中学生が実際に使うのはそのうちの1つだけでして、全国の中学生の多くが、「東京書籍」と「啓林館」という2社の教科書会社が発行しているもののどちらかを数学の授業で使っています。そこで、今回は、この2つの教科書の違いについて書いてみようかと思います。
 先ほど、どの教科書も似たような内容だと言いましたが、よ〜く読んでみると、違いがあることに気づきます。たとえば、数学では、2 x+3のような式を「いちじしき」といいます。これを、東京書籍では「1次式」と書きますが、啓林館では「一次式」と書きます。
どうでもいいことですか?出版社にとっては大事なことなのです。
 もっと大きな違いもあります。中学1年で習う「正負の数の加法」についてですが、次のように説明しています。
 たとえば、(+4)+(−6)=−2 の計算を図で表すと、

 啓林館方式では、「+4 より−6 大きい数(6 小さい数)」を考えて、「数直線上の+4 の点から左へ6 進んだ点は−2」だから、答えは−2 となります。東京書籍方式では、「ある点が直線上を、最初は右へ4 進み、続けて左へ6 進んで、その結果、左へ2 進む」ことから、答えは−2 となります。
 わかりにくいでしょうか?啓林館では、「+4」を数直線上の点とみて「−6」を点が進む方向(−)と距離(6)とみているのに対し、東京書籍では、「+4」と「−6」のどちらもある点が移動する方向と距離とみています。ですから、東京書籍の図には「0」を表す点は必要ありませんし、答えの「−2」は「左へ2 進むこと」を表しています。私的には、東京書籍の方がしっくりとくるのですが、みなさんはどうでしょうか?どちらも同じようなものじゃないかと言われればそれまでなのですが、ちょっとした違いのなかに各教科書の主張があるわけです。(つづく)



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