本文へスキップ

教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

TEL. 06-4962-5876

〒661-0035 兵庫県尼崎市武庫之荘3-19-3

新しい教育シーンをクリエイト


○Cross Road 
第48回 夏のスポーツ事情 文/吉田 良治

 2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、その期間は日本で最も暑い時期の7月下旬から8月上旬に当たります。日本体育協会によれば、気温35度の猛暑日は原則運動を禁止、31度以上でも厳重警戒で、激しい運動は避けるべきと指針を出しています。今年7月下旬から8月中旬まで日本各地で猛暑日が続き、5年後のこの時期はさらに気温上昇が懸念されています。
 日本では夏の時期は、高校野球をはじめ高校総体(インターハイ)など、夏の競技大会も盛んでしたが、近年温暖化で競技者はもちろんのこと、観戦する側にも熱中症などの健康被害が多発しています。高校生よりも体力のあるプロ野球選手(1軍のみ)ですら、この時期はナイターかデーゲームでもドーム球場(空調設備のある)に限られていて、昼の炎天下での競技実施はありません。
 スポーツ活動を行う上でも、野外なら比較的涼しい午前中の早い時間帯か夕方の時間帯、また空調設備のある競技施設を使用するなど、競技者や観戦者などへの健康面の配慮が重要となります。
 また、夏は秋に向けたスポーツの強化時期でもあり、厳しいトレーニングを経て一流選手になるとされてきました。練習などのスポーツ強化の場においても、練習時間帯やペース配分を含め、綿密な計画を立てることが求められます。特に合宿など集中的に行う場合は、一日中激しい練習をすることは、疲労を蓄積することによって、パフォーマンスの低下を招き、また疲労の回復が遅れれば、熱中症を引き起こすもととなるばかりか、疲労が怪我を誘発する場合もあります。中には選手生命に繋がる重傷、場合によっては命にかかわるケースもありますので、指導者には常に選手のベストコンディションを整えることを最優先に考えることが重要です。このことは体罰問題と同様、指導者の練習に対する意識改革が求められます。
 私の指導者としての経験を少し紹介すると、アメリカンフットボールの夏合宿では朝8時30分〜10時、午後も15時〜17時30分と、気温が高い時間をさけるようにしていました。特に午前中の練習はできる限り早く始め、中身もできる限り体力を消耗しないような工夫が必要です。昼に長い休息をとることで、体力の回復するよう配慮していました。また夜も9時過ぎには就寝し朝早く起きて(5時起床)、早朝にミーティングをするようにしていました。これにより選手は疲労を極力蓄積せず体力を維持し、練習内容の理解度を高めることに重きを置きました。アメリカの大学では熱中症の防止を目的に、キャンプ(強化合宿)中は2日続けて一日2回練習を禁止しているので、日本でも合宿の一日2回練習では、どちらか一方の練習で体力を消耗しないような工夫が必要です。
 夏のスポーツ競技、例えば高校野球も選手や観客の健康を考えるなら、べストはドーム球場への開催施設の変更ですが、甲子園球場開催の伝統を守るなら、試合の時間帯(昼の時間帯を避ける)や、連戦が続く後半の試合(3回戦以降)は、試合間隔をあける(毎試合中1〜2日くらい)ことも検討すべきでしょう。
 大学生においては新卒採用時期が繰り下げとなって、夏休みに就職活動が集中することもあり、通常主力の4年生が練習や試合を抜けることもあります。夏休み中のスポーツ活動も思いきって休止をするくらいの変革が必要なのかもしれません。(つづく)


吉田良治さんプロフィール
 1962年生まれ。1998年にワシントン大学へアメリカンフットボーボールコーチ留学。2000年リーグ制覇、2001年ローズボウルに出場し、ローズボウル制覇に貢献。国家レベルのリーダーシップ教育に貢献した、ランブライト元ワシントン大学ヘッドコーチよりリーダーシップ教育を学ぶ。
 全米の大学で人格形成プログラム普及に貢献した、ライス元ジョージア工科大学体育局長よりライフスキル教育を学ぶ。

吉田良治さんBlog
http://ameblo.jp/outside-the-box/





バナースペース

教材出版 学林舎

 〒661-0035
 兵庫県尼崎市武庫之荘3-19-3
 TEL 06-4962-5876
 FAX 06-4962-5877
 e-mail info@gakurin.co.jp