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○Cross Road 
第49回 障害者スポーツ 文/吉田 良治


 2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されますが、どうしても注目度でパラリンピックに目が向けられる度合いが低くなりがちです。近年日本でも障害者スポーツが盛んになり、少しずつその認知もされてきましたが、運営や選手育成などの支援体制はまだまだ充実していません。
 ノーマライゼーションという言葉をご存知でしょうか。北欧で1960年ごろに始まった取り組みで、障害のある人にも、障害が無い人と同じような暮らしができるように支援をすることです。2020年に東京でパラリンピックも開催されるので、日本のスポーツでもノーマライゼーションの充実が求められます。
 以前神戸市灘区にあるスポーツセンターで運営に関わったことがあります。その施設には身障者体育館もあり、様々な障害のある方たちのスポーツ活動の場に、体育館が利用されていました。車いすバスケットやシッティングバレーボール、聴覚障害者バレーボールなどのチームの利用が多かったように思います。市民交流の場として障害者スポーツを体験してもらおう、という企画があり、車いすバスケットボールのチームが、市民との交流に参加されました。子どもや若者たちが車いすに乗ってバスケットボールをする、というものでした。日ごろ両足で立ち、走ったり止まったりして、ボールを投げたり受けることしかしていなかった子どもたちにとって、椅子に座った状態でボールを投げたり、受けたり、またシュートをするということはかなり難しく、大変苦労をしていました。また車いすは動作を静止していても、微妙に車が動きますから、その状態でのボールさばきは容易にできません。サポートした大学生(バスケットボール部員)も、車いすに座ってボールをシュートすると、ゴールネットにすら届かないケースが多々あり、立場が変わるとこんなにもうまくいかないものか、と苦労をしていました。
 車いすはもともと足に障害がある方が使用します。車いすを使用したバスケットボールをはじめ、様々なスポーツで利用されるようになりました。足を使わなくて済むスポーツですので、車いすに乗れば健常者でもこのスポーツに参加できるということになります。オリンピックとパラリンピックは、健常者と障害者で参加する大会が分かれてしまいますが、障害者スポーツの中には、健常者が障害者と同じ条件で参加すれば、車いすバスケットボールのように、障害者と対等な競技に変化できるものもあります。ブラインドサッカーもゴールキーパーやコーラーそしてコーチで、視覚障害のない健常者が参加することも必要になります。ルール上は参加が認められていませんが、健常者も目隠しをして対等な立場になれば、他のポジションを体験することも可能で、視覚障害者の立場を理解する点では、先に紹介した車いすバスケットボール体験と同様、大切なことと思います。
 健常者と障害者の垣根を取り除くという意味では、オリンピックとパラリンピックを融合することも意義が出てきます。同じ種目で競い合うことは無理でも、例えばオリンピック陸上100m決勝の直後、もしくは直前に、パラリンピックの決勝を行う。マラソンはオリンピックとパラリンピック(車いすマラソン)を同時スタートをするといった、同じ舞台を一緒に共有するということもあっていいのではないでしょうか。全ての競技を合わせるというのは、スケジュール上難しいかもしれませんが、一部でも開催が実現できれば、スポーツのノーマライゼーションの真価となるはずです。(つづく)


 吉田良治さんプロフィール
 1962年生まれ。1998年にワシントン大学へアメリカンフットボーボールコーチ留学。2000年リーグ制覇、2001年ローズボウルに出場し、ローズボウル制覇に貢献。国家レベルのリーダーシップ教育に貢献した、ランブライト元ワシントン大学ヘッドコーチよりリーダーシップ教育を学ぶ。
 全米の大学で人格形成プログラム普及に貢献した、ライス元ジョージア工科大学体育局長よりライフスキル教育を学ぶ。

吉田良治さんBlog
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