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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

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○算数・数学から見えてくる世界 
文/学林舎算数・数学顧問  深見 和孝
 前回のコラムで、学林舎の「単元別テキスト」という教材について書きました。今回のコラムでも、この教材について書いてみようかと思います。はじめに、「単元別テキスト」について簡単に説明しますと、この教材は中学で学ぶ数学を単元ごとに分冊(1学年に7冊程度)にしたもので、とても個性的な教材です。といいますのも、学習内容についての説明を読んだり問題を解いたりしながら、順を追って学べるように配慮されていますし、何より、生徒がスムーズに進められるように、つまずきやすいところを強調してくれています。
 ふつう、数学の学習教材というものは、教科書を使うことを前提にして、ポイントを簡潔に述べ、様々な問題とその解法を中心に構成されています。特に、塾で使用される教材は、先生の要望に沿って授業で使いやすい教材を目指します。一方、「単元別テキスト」は、生徒が自力で進められることを目指しているので、生徒がどこでつまずくのか、ということを一番に考えて作られた教材といえるでしょう。
つまり、ある先生いわく…

 「授業で説明したり黒板に書いたりすることを、全部プリントに書いて生徒に配ったらどうだろう。そうすれば、授業でちゃんと説明できているか心配することもないし、チョークで服が汚れることもないから、楽でいいんじゃないか。」

 説明することをあらかじめプリントにしておけば、ムダなく授業が進められそうですし、生徒にとってもノートを書く手間が省けて楽ちんです。「単元別テキスト」はそういう合理的な発想からできた教材じゃないかと思うのです。
 「ムダ」といえば、昨日テレビで見たのですが、必要最小限のモノだけで生活する会社員の男性が紹介されていました。その方は食べるもの、着るもの、家電など生活するのに必要なモノを最小限にとどめて、ガラ~ンとした家での生活をエンジョイしているということなのです。そういう人たちを総称する造語もあるそうで、何と呼ぶかは忘れてしまいましたが、要はムダをなくすことを追い求めていく人たちのことのようです。実は私もこのタイプに近いようで、その男性に共感を覚えました。実際、私はアルバムなどのような思い出のモノは何も持っていませんし、私物を集めてもタタミ2畳あれば十分に納まりそうです。
 何を言いたいのかといいますと、授業から「ムダ」と思えるものを省いてしまえば、どうなるのだろうと考えたわけです。黒板はもちろん、先生の説明は全部プリントにして…いや、プリントも紙のムダなので電子書籍のようにすれば、タブレット1つあれば授業ができそうです。
 もちろん、ムダをなくして快感を得られる人がいれば、ムダであることを大切に思う人もいます。あるベテランの先生が、「こんなオッサンが何か一生懸命に話している姿を生徒に見せるのが授業や。」と話してくれたことがあります。「それってムダじゃないの?」と言っては身もフタもありません。また、「授業なんてただの儀式のようなものですね。」と話していた若手の先生もいました。また、生徒のほうの受けとり方も様々でしょう。前回のコラムで書いた「テキストをやるだけで教えてもらえないなら、塾に来る意味がない。」と不満をもらした生徒は、先生の一生懸命な姿を求めていたのかもしれません。自分のペースでテキストを進めながら勉強できればよいと考える生徒もいるでしょう。
 私のようなムダ排除主義の人間でも、まったくムダのない授業を思い浮かべてみると、何か物足りないような気がしてきます。つまり、先生のナマの声や目線、先生と生徒との立ち位置などが、大切なことのように思えます。実はムダこそが、先生の個性を演出しているのかもしれません。では、今回はこれまで。(つづく)




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