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○国語を考えてみる ああ、素晴らしき哉、日本語⑲
 豊かな表現は世界を幸せにする
文/学林舎国語顧問  森本 秀俊

 先日、テレビでクイズ番組を見ていました。5人の解答者が全員で1つの解答をつくるというクイズで、次のような問題が出されました。はっきりとした文は忘れてしまいましたが、「~しているんだ、ぼくは」のように、言葉の順序を入れかえて、印象を強くする表現の方法を何と言いますか、というような問題でした。答えはもちろん「倒置法」で、ひらがなで一人が一語ずつ答えるので、「とうちほう」となるべきでした。その問題に挑んだのは、芸人3人と作家が2人という解答者でしたが、出てきた解答が「とうくほう」で、そのチームは不正解となりました。そして、「く」を書いたのが、芸人ではなく作家だったので、「本当に驚きました、私は」。
 日本語には、この倒置法のほかにも「比喩」「擬人法」「対句」「省略」「反復法」「体言止め」「呼びかけ」という言葉を印象づける表現の方法があります。これを表現技法といいます。その主だったものを簡単に見てみましょう。

【比喩】
たとえを使って印象を強める表現技法で、直喩と隠喩の2種類がある。
①直喩
 「~のような」「~のように」などの言葉を使ってたとえる方法。
②隠喩
 「~のような」「~のように」などのたとえの表現を使わない方法。

【擬人法】
 人でないものを人のようにたとえる表現技法で、比喩の一種である。

【対句】
 対になる言葉を並べて、調子をととのえる表現技法。

【倒置法】
 言葉の順序を変えることによって、感動を強く表す表現技法である。

【体言止め】
 行の終わりを名詞で言い切る表現技法。強い感動をあたえたり、しみじみとした余韻を残したりする。
 小説を読んだり、人と話をしていたりするとき、豊かな表現に出会うと、なんだか得をした気分になります。次にあげるのは、すべて宮沢賢治の小説からとった比喩表現です。

 「たくさんの星の集りか一つの大きなけむりかのように見えるように思いました」

 「クラリオネットのようなすすり泣きの声をあとに、急いでそこを立ち去りました」

 「顔の紺色な髪の火のようなきれいな女の子がまっ白なひらひらしたきものに宝石を一杯につけてまるで青や黄色のほのおのように踊って飛び出しました」


 表現のくふう一つでその言葉の持つイメージが読む人の頭の中いっぱいに広がっていく感じがします。人と会話をしていても、表現の豊かな人と話していると、「ああ、この人はすてきな人だなあ」と思ってしまいます。「あのサスペンス映画はどうだった」ときいて、「すごく衝撃的だったよ」と言われるより、「うたた寝をしていて、突然、うしろからハリセンで頭を思い切りはたかれたような衝撃を受けたよ」と言われたほうが、引き込まれますよね。たかが表現技法、されど表現技法。表現技法についてもっと知りたいと思いませんか。 
 ああ、素晴らしき哉、日本語。(つづく)  




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