本文へスキップ

教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

○Cross Road 第63回 世界大学ランキング 文/吉田 良治

 今年も9月にイギリス・タイムズ紙が、世界大学ランキングを発表しました。トップ10の顔触れはほぼ毎年同じ大学ですが、今年は5年間トップを維持してきたアメリカのカリフォルニア工科大学に代わり、イギリスのオックスフォード大学が1位に輝きました。一昨年までは400位までの発表、昨年は800位までの発表と拡大し、今年は980位までランキングの幅が広がりました。ランキング入りしている大学数を国別でみると、トップはアメリカで148大学、2位はイギリスで91大学、日本も69大学の大学がランクインしていますが、その多くは昨年からランキング発表の枠の増えた401番以降、特に601番以降に集中しております。
 3年前に安倍首相が『世界大学ランキングトップ100に、日本の10大学を入れる!』と宣言し、大学の国際競争力強化として、スーパーグローバル大学等事業を立ち上げました。大学の教育や研究などの分野は、すぐに大きな成果が期待できるものではありません。ただ、年々世界的な大学評価で、日本の大学の下落が顕著となっています。今年のタイムズのランキングでは、東京大学が昨年の43位から39位に順位を回復したものの、アジア各国の急激な追い上げに、昨年アジア3位だったのが、今年はアジアで4位となりました。日本の大学で第2位の京都大学は昨年の88位から91位へと下がり、50番内を目指していた数年前から大きく順位を下げ、100位以内も危ない状況となりました。2年前までは101〜200位に位置していた東京工業大学、大阪大学、東北大学は201位以降へとランキングを落とし、安倍首相の思い通りとはいかない状況です。
 ランキング内に最も多くの大学を送り込んだアメリカでは、スタンフォード大学、ハーバード大学、カリフォルニア工科大学、マサチューセッツ工科大学といった、上位大学には私立大学で占められています。もちろんカリフォルニア大学のような州立大学でも、トップ10位以内に入っていることから、アメリカの大学は私立、公立ともに国際的な大学力の高さを示しています。ところが日本の場合、ランキング300以内はすべて国立大学で、今年351-400位にランクインした豊田工業大学以外、旧ランキング(400位以内)に日本の私立大学は見当たりません。数年前までは400位以内に慶応義塾大学や早稲田大学の名前がありましたが、現在はどちらの大学も601-800位と低迷しています。昨年800位まで発表が拡大されるまでは、関西の大学の名前をタイムズ紙の世界大学ランキングで見つけることはありませんでしたが、昨年の発表枠拡大で近畿大学が唯一601-800位にランクインしました。今年の801-980位までの発表で、それ以外の関西や関東の私立大学の名前も、数多く見受けられるようになりました。しかし真の国際競争力をつけていく上では200位以内、さらには安倍首相の掲げるトップ100位以内を目指すことが重要といえます。そのためにはスーパーグローバル大学等事業などの活用で、国公立大学だけでなく、より多くの私立大学が大学力と大学の国際競争力を高めていく必要があります。
 日本は少子化で大学進学世代が減少し、大学数が過剰との考えもありますが、世界の大学のスタンダードは留学生の獲得です。世界規模で今後も人口は増加し続けます。日本の少子化問題と大学数の関係は、世界的な動きの中では全くの論外といえます。そして進学先を選択するうえで、大学ランキングとその評価内容は、留学先選定で大きな判断基準となります。下位に低迷している、もしくはランキングに入れない大学こそ、大学存続の危機意識を持つべきでしょう。(つづく)

吉田良治さんBlog
http://ameblo.jp/outside-the-box/



バナースペース

教材出版 学林舎

〒661-0035
兵庫県尼崎市武庫之荘3-19-3

TEL 06-4962-5876
FAX 06-4962-5877
e-mail info@gakurin.co.jp