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○算数・数学から見えてくる世界 文/学林舎算数・数学顧問  深見 和孝

 新年あけましておめでとうございます。本年1回目のコラムになります。前回、前々回と「数学的表現力」について書いていたところ、昨年の暮れに、タイムリーな話題が新聞で大きく取り上げられていました。それは、大学入試センター試験に代わる新テスト(2020 年度から実施予定)についての記事で、試験問題に採用される〈記述式〉の問題例が公表されたというものです。現在のセンター試験はすべてマーク式のテストなので、記述式の問題が採用されたならば、教育界・受験業界ではインパクトのある話題といえます。記事によれば、記述問題は「文章作成を通じた思考力や表現力の評価につなげる」とのことでして、問題例を見ながら「なるほどねぇ~」と思う一方、じゃあ表現力って文章作成の上手さなの?前回のコラムで「言葉による説明こそが数学的表現力のエンジン」と書いたのですが、どうやら私の解釈で的外れではなかったようです。
 これまで「表現力」という観点は小中学校の専売特許という印象だったのですが、「大学入試においても表現力が重要」という見方が固まっていくと、そのための授業・教材・テストのニーズがますます高まっていきそうです。この大学入試の新テストは、今の中学1年生が高校3年生になる年からスタートする予定だそうで、実際に記述式テストが実施されるとなれば、これからの小中学生は「表現力世代」と命名されるかもしれません。
 私が小中学生を教えた経験では、問題の答案といえば、式や計算だけを書く生徒が大半です。ところが高校生になると、どういう意味の式なのか説明を加えることを要求されます。高校の数学の先生は、式を書いただけの愛想のない答案は大嫌いで、小中学生のうちから答案作成のスキルを身につけておくことに異議を唱える方はまずおられないでしょう。
 それでは、「数学的表現力」を評価する問題を出しますので、みなさんお考えください。

【問題】
 図形のなかには「線対称な図形」とよばれるものがあります。線対称な図形とは、ある線を折り目として二つ折りにしたときにぴったり重なる図形です。そして、このときの折り目となる線を「対称の軸」といいます。次の図は、正三角形、正四角形( 正方形)、正五角形、正六角形の対称の軸がそれぞれ何本ひけるかを調べたものです。



 このように対称の軸の本数を調べた結果、n という文字を使って「正n 角形の対称の軸はn 本ある」といえそうですし、実際にそういえます。
 では、このようにいえる理由を「頂点」「辺」という言葉を用いて説明して下さい。
 ただし、「頂点や辺が1つ増えるごとに軸も1本ずつ増えるから。」という説明では、根拠に乏しくダメですのでご注意を。解答は次回のコラムで発表させていただきます。(つづく)