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【GAKURINSHA TOPICS】 中学入試の行き先 2016年の中学入試

 2016 年度は、関西圏では1 月16 日の統一入試日を、首都圏では2 月1 日の主要校の入試日を皮切りに、中学入試時期を迎えました。受験者数の動向は、2007年のリーマンショック以前は公立小学校卒業生数の増減が大きな要因となっていましたが、2009 年以降は景気の影響にも左右され、2008 年の大幅な減少以降、前年対比は2014 年まで微減傾向が続きました。2016年度は、その減少傾向が緩和されたことや、景気の好転の影響により、2015 年度入試に続き横ばい状態から微増傾向となったのではないかと予想されます。(統一入試日や2/1 受験日の総受験者数を該当地域の小学校卒業生数で割って算出、統一日・2/1 受験日にも当日午後入試受験者、統一日・2/1 受験日以外での受験者がいたりするため、概算予想となります。)
 私立中学受験、および国立・公立中学受験においては学習環境の選択が大きな目的である場合が多いようです。しかし近年では、2020 年からの大学入試改革に対応した教育、実用的な国際教育、大学の理系学部への進路実績という観点から中学受験を望まれるご家庭も増加傾向にあります。また、中学入試の入学時の難度に比して、大学入試で高い実績を出している学校への人気も高まっています。多くの中高一貫の私立中学が中2 までに中学内容の学習を進め、中3 段階から高校課程の学習に入れるのに対して、公立中学に進んだ場合、中学三年間は中学課程を学習し、高校学習内容を自発的に勉強するよりは、高校入試の合格率を高めるための受験勉強に時間を費やさなければならない現状があります。もちろん、先取り学習がすべてよいわけではありません。しかし、お子様の学習到達度に応じた学校選びという意味において、選択肢を増やすという点でも私立受験を考えるケースが増えています。
 私立中高も、少子化の現状の中、公立高校の台頭や公立の中高一貫校の設立に対して、授業料に見合った教育を実践し生徒数を確保しなければならない状況にあります。建学の理念や学校の特色を残しつつも、独自の学校改革や新たな取り組みを行っている私立中高が多くあります。その一例は、学校内予備校や高大連携の取り組み、キャリア教育の実践などです。また、先に述べた2020 年からの大学入試改革にも注目が集まっています。私立中高各校が、中高6 カ年の教育方針や授業のスタイルをいかに鮮明に打ち出せるかも、各校の今後の入試動向に少なからず影響を与えていくものと考えられます。
 入試問題の傾向については、各校とも基本的には過年度の出題傾向を踏襲したものでした。

□算数
 難関校では受験生の処理能力や思考力を問う問題を、中堅校では算数の基本的な知識や計算力を問う問題を出題していくという、例年通りの全体的な流れに、大きな変動はありませんでした。
 
□国語
 物語文・論説文の読解問題が基本となりますが、物語文では受験生と同世代を主人公とした作品、論説文では新書などの一部を抜粋した文章が多く見られます。難関校では記述式で答える問題の割合が高くなっており、中堅校では基礎力を問う割合が高くなっています。

□理科
 物理・化学・生物・地学がまんべんなく出題されます。難関校では物理・化学分野の計算を含む問題の割合が高く、中堅校では知識が確実に定着しているかを問う問題のウェイトが高いです。
 
□社会
 歴史・地理・公民が幅広く問われます。中堅校では知識の確実な定着を問うものが中心ですが、難関校では基本事項の暗記に加えて、多様な出題形式に対応できるよう「情報を思考する力・判断する力・表現する力」を養っていく学習が要求されます。(文/学林舎編集部)