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○Cross Road 第55回 卒業後の進路 文/吉田 良治

 3月は卒業シーズンです。そして4月は進学や社会人としての門出となり、新たなスタートの月がやってきます。近年大学生の就職活動は、一時期3年生の秋から始まったことで活動期間が長期化し、学業に支障が出ました。そして昨年経団連など大手企業が中心となり、新卒採用試験の開始時期を8月へ大幅にずらす動きが出てきました。ところが早く優秀な人材を確保したいという、これまで通りに採用試験を実施する企業と、経団連の呼びかけを順守する企業で対応が分かれ、かえって学生の就職活動に負担をかける結果になりました。そして今年は8月にずらした新卒採用試験が6月に早まり、新卒採用の就活は短期決戦となっています。
 少子化で今後若者の人口が減少していきますので、企業間での優秀な人材確保の競争が、さらに激化していきます。今後は日本の大学で学ぶ日本人学生だけでなく、外国人の学生、そして海外へ留学していた日本の若者など、グローバルな視点でより幅広い分野から、優秀な人材を求めていくことも加速していくことになるでしょう。そのような厳しい環境、学生は就活をいつから始めるのか?企業の採用活動時期に重きを置いていては、実質的な就職活動期間にも限りがありますので、より早い時期から将来のことを見据える活動をしていくことが重要になります。
 学生はまず最初に進むべき道を早く定めないと、それに備える準備ができないまま、企業の採用活動に突入してしまいます。色々な大学の就職支援の職員とコミュニケーションを取ると、良く聞かれることは“3年生になってから慌ててこの部署へ駆け込んでくる学生は少なくない。その多くは就活の初歩的なことが分かっていないので、そこからできることには限りがある。もっと早い時期から将来のことをしっかり固めて、できるだけ早く就職活動への備えを整えることが必要!”と話しています。となると大学で学ぶ意味も変わってきます。“就活への備え”ということでいえば、学期ごとに履修する科目の選択なども、就活への備え・準備の一環となっていくはずです。
 進むべき道が定まったらそれに対する準備が必要です。一般的には進みたい分野や企業の研究などが、その準備となるのでしょう。しかし今後日本の新卒採用も、より実践的な準備、つまりプロで生きていくための技能を磨いていくことも求められます。私は一般学生の就活の準備には、プロ野球を目指す野球選手に例えることがあります。プロ野球に進むにはドラフト会議で指名を受けることが最初の関門です。その時球団の基準は当然社会人もしくは、大学や高校などで活躍した選手が対象となります。つまりアマチュアレベルであっても、野球の技能で優れていることが絶対条件です。陸上競技で世界記録を持っていても、野球をしたこともなければ、プロ野球球団は決してドラフト指名することはありません。大学で学業が優秀でも、学んだことを実践で活かすことが必要になります。それは入社後いきなり一般企業の“バッターボックス”に立つことを意味します。つまり、一般的な職業でもそのレベルで就活に臨む準備をしていくことが求められます。“大学4年間で学ぶ+実践的な技能を磨く”が重要なのです。海外の大学ではそのレベルで人材を輩出することが当たり前になっています。
 “この大学で夢を見つけよう!”という意味合いの、大学入試キャッチコピーを広告にする大学は後を絶ちません。しかし大学に入ってから、“夢”を探している時間はなく、また企業も給料を支払って“バットの握り方”教えることも、今後は減少していきます。そう考えると、4年間という時間はそう長くはありません。(つづく)

吉田良治さんBlog
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