本文へスキップ

教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】 教育現場の行き先 学童保育がもたらすもの

 学童保育とは、就労しているなどの理由で保護者が家にいない小学生を対象に保育をする制度のことで、「放課後児童クラブ」と呼ばれることもあります。学校で授業がある日の放課後の保育だけでなく、夏休みなどの長期休暇には、一日を通して(8時間以上)保育が行われます。保育は、小学校敷地内に設置された専用施設や小学校の余裕教室、児童館などで行われ、学童保育施設は児童に遊びや生活の場を提供する安全・安心な居場所となります。費用は施設によって異なりますが、一般に月額5千円〜1万円くらいの施設が多いようです。

<学童保育の現状>
 現在、学童保育の施設数は全国で22,608 カ所あり、学童保育を利用している児童数は1,024,635 人(2015年5月1日現在、厚生労働省発表資料)です。2005〜 2015 年の10 年間では、施設数は約1.6 倍、児童数は約1.5 倍に増加しています。厚生労働省によると、2015 年に利用を申し込んだものの学童保育に預けることができない待機児童数は全国で16,941 人とされており、前年から6,996 人増加しています。ただし、保育時間が保育所より短いなどの面で条件が合わず、母親が仕事をやめてしまうケースなども含めると、潜在的な待機児童数は40 万人以上と推測されています。また、これまでは原則として小学3年生までの児童が対象でしたが、法律の改正によって、2015 年4月からは小学6年生までの児童に拡大されました。しかし、これは義務ではないため、高学年の利用者を受け入れていない施設も多くあり、高学年も含めると潜在的な待機児童数はさらに多くなるといえます。
 学童保育の保育時間は施設によって異なりますが、17:00 〜 18:00 の間に閉所する施設は全体の27.9%、18:01 〜 18:30 の間に閉所する施設は全体の23.4%となり、18:30 までに閉所する施設は全体の半数を占めます。一般に19:00 頃まで子どもを預けられる保育所と比べると、学童保育は早い時間に閉所する施設が多いといえ、この問題は、小学校の入学を機に母親の就業率が低下する「小1の壁」の一因となっています。
 これらの現状から、学童保育の施設数の増加や、保育時間の拡大が強く望まれているといえます。

<学童保育と新規ビジネス>
 最近では、民間企業による学童保育の機能をもった新規ビジネスが少しずつ増えてきています。22:00までの延長保育や夕食の提供、学校の校門から施設までと施設から自宅への送迎サービスなどは、公立の施設では実現が難しいサービスですが、保護者からは強いニーズがあります。
 また、公立の学童保育の場合、宿題への指導は行われないため、宿題の指導を含めた学習指導に強いニーズをもつ保護者もいます。塾などの教育関連会社が運営する学童保育の場合、保育サービスだけでなく、宿題の指導や授業を行うなど、教育サービスを受けることができます。また、スポーツクラブが運営する施設には、学習指導のほかに水泳教室や体操教室、ダンス教室などの習い事を受けることができる施設もあるようです。さらに、外国人スタッフを配置し、英会話教育に力を入れている施設もあるようです。これらの施設利用料は施設や利用時間によって異なりますが、通常月額4〜6万円程度、夏休みとなる8月で5〜 10万円程度の施設が多く、公立の料金に比べてかなり高くなっています。しかし、働いている保護者は、平日に子どもの送迎ができず、休日の時間を使って習い事に通わせることが多いため、このような習い事を売りにした学童保育には、強いニーズがあるといえます。

<まとめ>
 子どもの人口は減少しているものの、核家族化が進み、共働き世帯が増加傾向にある中で、学童保育に対するニーズは今後ますます強くなると考えられます。また、画一的な保育だけでは不十分と考える保護者も多く、保育に教育を加えた学童保育の新規ビジネスには、将来性があると考えられます。
(文/ 学林舎編集部)