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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】 学習教育の行き先 アクティブ・ラーニングの展望

 「アクティブ・ラーニング」は、漢字で「能動的学習」と書きます。従来のような、一方的に伝達される知識を聴くという受動的な「学び方」ではなく、能動的・主体的な態度で学習する「学び方」です。
 2015 年8 月26 日付の、文部科学省「教育課程企画特別部会 論点整理」は、次期の指導要領改訂の方向性について述べたものです。ここでは、次期改訂の視点は、子どもたちが「何を知っているか」ではなく、「知っていることを使ってどのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」であり、学びに向かう力や人間性などを、いかに総合的に育んでいくかが大切だということが述べられました。その上で、そのための学びにおける、「アクティブ・ラーニング」の重要性が示されています。
 また、2016 年3 月31 日に公表された、文部科学省「高大接続システム改革会議 最終報告」においても、「十分な知識・技能」「それらを基盤にして答えが一つに定まらない問題に自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力等の能力」「これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の3つは、「学力の3要素」と定義づけられています。先行きの不透明な現代社会で、さまざまな人と関わり合いながら、主体性を持って人生を切り拓いていく力として、この「学力の3要素」は、特に重視すべきものであるという見解が示され、こういった力を育む、抜本的な教育改革を推し進める上で欠かせないのが「アクティブ・ラーニング」の視点だということが述べられました。
 この「教育課程企画特別部会 論点整理」「高大接続システム改革会議 最終報告」に共通するのは、「知識・技能」を活用できる「思考力・判断力・表現力」と、「主体性」を持って他者と「協働」して学ぶ姿勢を育むことを重視している点です。これらは、先行きの不透明な時代を生きる現代人に欠かすことのできない力であるとして、今後のすべての教育で重視されることになります。「アクティブ・ラーニング」は、こういった「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」を身につけることのできる、優れた「学び方」なのです。
 この流れの中で、入試の改革も始まっています。
 大学入試は、2021 年度入試から大きく変わります。大学入試センター試験が廃止され、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と、大学個別の入学者選抜が実施されることになる予定です。この「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は、大学入学希望者が共通で受検するテストで、「学力の3要素」のうち、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するものとなります。そして、大学個別の入学者選抜も、「主体性・協働性」をはじめとした「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するものへと変わることとなります。なお、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は、生徒の基礎学力の習得と学習意欲の喚起を目的として実施されるテストです。
 2019 年度から実施されますが、2022 年度までは「試行実施期」と位置づけられ、大学の入学者選抜には利用しないことになっています。(2023 年以降に利用されるかどうかは、現時点では決まっていません。)
 大学入試を含めた、抜本的な教育改革が始まろうとしています。時代の変化とともに、知識・技能を受動的に習得する力から、答えが1 つに定まらない問題に解を見いだし、新たな価値を創造していける力や、主体性を持って人生を切り拓いていける力が、求められるようになったのです。こうした力を総合的に育むには、学びの質や深まりが重要であり、「アクティブ・ラーニング」の視点からの教育は、重要性を増すばかりです。(文/ 学林舎編集部)