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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】 学習教育の行き先 SSHがもたらすもの

 文部科学省は、先進的な科学技術や理科・数学教育を実施する高等学校や中高一貫教育校を、スーパーサイエンスハイスクール(SSH) として指定し、各学校での取り組みを支援しています。
 スーパーサイエンスハイスクールの指定校は、指定を希望し、文部科学省に申請した上で、審査に通った高等学校等に限られます。

<目的>
 国際的に活躍できる科学技術系の人材育成、および理科・数学系の教育に重点をおいた研究開発。

<スーパーサイエンスハイスクール指定校での取り組み>
 指定を受けた学校では、科学技術や理科・数学に重点をおいた学習指導要領によらない独自のカリキュラムの開発、創造性・独立性を高める指導方法や教材等の開発、大学や研究機関との共同研究、地域の特色を生かした課題研究など、様々な取り組みを行います。
 スーパーサイエンスハイスクールの指定期間は5年で、各指定校は、その活動について、年度ごとに研究開発報告書を作成し、文部科学省に提出しています。また、全国の指定校の代表生徒が集まり、日頃の研究活動の成果を発表するスーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会も実施されています。

<スーパーサイエンスハイスクール指定校の
            卒業生の進路について>

 2007 年度〜 2011 年度に行われた調査によると、スーパーサイエンスハイスクール指定校の理系学部への進学率は、すべての高等学校の平均進学率に比べて高く、男子は全国平均の約2倍、女子は全国平均の約3倍になっています。このことから、スーパーサイエンスハイスクール指定校が、理系学部に数多くの人材を送り出していることがわかります。
 しかし、調査期間中の理系学部への平均進学率は、経年で低下する傾向が見られます。この原因としては、スーパーサイエンスハイスクール指定校の拡大に伴い、進学のみではなく、多様な教育内容をもつ職業学科を含む指定校が増加したことが考えられます。
 また、通算指定年数の長い指定校は、指定年数の短い指定校に比べて、国公立大学の理系学部への進学率が高い傾向にあることが確認されました。このことから、スーパーサイエンスハイスクールでの取り組みを長年続ける学校がよい成果を出しており、これらの学校の取り組みが、今後の科学技術系の人材育成のためのカリキュラムを確立する上で、資産になると考えられます。
 指定校の地理的要因と進学率との関係についての調査からは、同一都道府県内に研究人材育成大学が少ない地域や地方都市にある指定校において、同一都道府県内の国公立大学の理系学部への進学率が高い傾向にあることがわかりました。大学との共同開発等の連携は、スーパーサイエンスハイスクールの中心的活動の1つで、指定獲得の要件の1つとなりますが、この結果は、地域における高等学校と大学との連携が強いことを示しているとも考えられます。

<まとめ>
 四年制大学への進学率の増加は、科学技術系の人材育成の成果の指標の1つですが、科学技術系の人材育成の出発点に過ぎません。スーパーサイエンスハイスクール指定校の卒業生が、大学、大学院に進学した後、どのような職業に就き、どのような成果をあげているかなど、今後の動向が注目されています。(文/ 学林舎編集部)