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【GAKURINSHA TOPICS】 学習教育の行き先 全国学力テスト分析 中学校編

 平成28 年4 月19 日( 火) に全国学力・学習状況調査が実施されました。全国学力・学習状況調査とは、文部科学省が年に1 回実施している学力調査試験で、中学生では第3 学年の生徒が調査対象となります。出題範囲は、調査する前の学年( 第2 学年)までに含まれる指導事項で、出題内容は、「知識」(A 問題) と「活用」(B 問題) の2 種類あります。
 ここでは、平成28 年度に実施された中学校国語と中学校数学の出題内容を分析・総括します。

□中学校国語
 A 問題では、若干の形式の違いはありましたが、大問1 で聞き手の立場を想定する問題が昨年から続けて出題されました。また、大問5 では、電話を受ける相手のことを考えて言葉を選ぶ問題、大問7 では、相手の発言をどのように聞いているのかについて答える問題など、実生活でのコミュニケーションでも必要とされるような、相手の立場や話の展開などに注意する能力を問う問題が多く出題されました。
 大問9 では漢和辞典を活用した問題が出題されました。この問いは、それぞれの漢字には複数の意味があることを理解し、その中から適切な意味を正しく捉える力を確認することを目的としています。普段、辞典を引く習慣のない生徒には見慣れないものだったでしょう。
 B 問題では、昨年と比べて選択式問題が1 問減り、そのかわりに短答式問題が1 問増えました。「暮らしの中の伝統文化展」のちらしや、「宇宙エレベーター」を扱った雑誌記事など、日常生活で目にするような身近な資料が題材として扱われました。また、大問3 でも長文が扱われているなど、ノートやフリップ、グラフを題材にしていた昨年と比べると、読み取る文章量が増加しました。一方で、記述式問題の文字量は昨年と比べて減少しました。

□中学校数学
 A 問題では、昨年と比べて選択式問題が6 問減り、短答式問題が6 問増えました。特に図形問題での短答式問題が増加し、自分で体積を計算したり、立体の名称を答えたりする問題が出題されました。短答式問題が増加したことで若干難易度が上がったといえます。
 A 問題の後半では、大問構成に変化がありました。比例の問題では小問が1 問増加し、一次関数では、具体的な事象を一次関数の式で表す問題が新たに出題されるなど、全体として生徒の思考力を問う問題の割合が高くなりました。
 B 問題も、A 問題と同様に選択式問題が減り、短答式問題が増えました。また、図形の問題が減り、数と式に関する問題が増えました。大問2 では、一次関数の計算問題だけでなく、表に示された数の特徴を見つけ、答えが1 つにしぼられるように加えるべき条件を判断する能力が求められました。他の問題も同様に、単なる計算問題ではなく、ドッジボール大会の計画を立てたり、電気自動車とガソリン車の費用を比べたりするなど、実生活に即した場面で数学を利用する問題が出題されました。

 中学校国語・中学校数学の問題に共通していえることは、中学生にとって身近な内容や実生活に即した題材が扱われたことです。つまり、学校で学んだ内容を日常生活の場面で応用する能力が確かめられていたといえます。このことから、学校側の観点では、知識詰め込み型の教育ではなく、身の回りの生活と学習内容を関連付けた教育が今後求められると考えられます。(文/ 学林舎編集部)