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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】 学習教育の行き先 学校教科書を分析

 教科書は、学校現場において最も基本となる教材です。文部科学省では、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材」と位置付け、学校現場での教科書の使用を義務付けています。各教科・科目を学習する上で、教員にとっても、子どもにとっても、教科書は欠かせない存在なのです。

□学校教科書の種類
 現在、学校現場で使用されている教科書のほとんどが、学習指導要領に沿って、民間の企業が作成しています。文部科学省の調査によると、平成26 年度における使用教科書は、小・中学校で使用されている教科書だけでも126 種類、427 点が発行されています。高等学校の教科書は、800 種類以上も発行されています。

□学校教科書ができるまで
 教科書が発行され、子どもに使用されるまでには、数多くの審査が必要になります。民間の企業によって編集された教科書は、教科用図書検定調査審議会によって、文部科学省の発行する学習指導要領に即しているかどうか、教育内容として適切かどうか、内容に誤りがないかなどが審査されます。この検定に合格した教科書は、実際の学校現場での使用が認められます。
 小・中学校の教科書の場合、検定に合格した教科書は、編集した企業によって、都道府県や市町村の教育委員会、国立・私立学校の学校長のもとに持ち込まれます。実際の学校現場で使用してもらえるように、採択の依頼をするためです。各自治体の教育委員会や学校長は、持ち込まれた教科書を比べ、その地域・学校に最もふさわしい教科書を選定し、採択します。採択された教科書は、民間の企業によって発行され、子どもに届けられます。高等学校の教科書の場合、公立もふくめて、各学校の学校長や教員が、その学校の実態を考慮して、教科書を採択します。高等学校とちがい、公立の小・中学校の教科書が、都道府県や市町村ごとに採択されるのは、義務教育における子どもの教育の機会均等を保障するためです。教科書が著作・編集されてから実際に使用されるまでには、およそ4 年の月日がかかります。

□教科書と中学入試、高校入試との関連性
 公立の小・中学校の教科書は、各自治体の教育委員会によって、その地域に最もふさわしい教科書が採択されます。つまり、採択された教科書は、その自治体の教育委員会の教育方針に最も近いものだということです。教育委員会が公立の高等学校の入試問題を作成する上で、参考にするものの1 つに、その自治体で採択された教科書が挙げられます。したがって、公立の高等学校の入試問題は、採択された教科書の影響を少なからず受けていると考えられます。一方で、私立学校の中学・高校入試は、私立学校の教員が入試問題の作成に携わります。より一般化をめざした公立学校の入試問題では、多くの人の目により精査されますが、私立学校の場合は、一教員の考えが入試問題に反映されやすくなります。その学校で学ぶ上で必要な幅広い知識が、入試問題で問われているのです。

□まとめ
 今回の教科書改訂において、一部の民間の企業が、検定中の教科書を小・中学校の校長などに閲覧してもらい、謝礼を渡していたことが発覚しました。本来、検定中の教科書は、外部への閲覧や持ち出しが禁止されいるため、これは市場経済においてルール違反といえます。次回の教科書改訂で検定される教科書は、より厳重な扱いが求められています。(文/ 学林舎編集部)