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Cross Road 第58回 18歳選挙権 文/吉田 良治

 来月は参議院選挙が実施されます。この選挙では日本で初めて、18歳から選挙に参加できることになりました世界的には18歳から選挙権を持つ国が最も多く、これまでの20歳からというのは比較的遅いとされていました。日本でも今回の18歳選挙権の施行で、若者に政治への関心を持つきっかけになることが期待がされています。
 高校や大学でも18、19歳世代に向け、政治への関心を持つための教育やサポートが始まっています。平日に期日前投票ができるようにしている大学もありますし、模擬投票などの授業をする高校もあります。これまで政治とは無関係だった世代が、初めて選挙で投票ができるため、政治に関心が薄いとされていた20〜30代にもいい刺激になるといえます。
 私はアメリカンフットボールのコーチをした日本の大学では、いつも選挙の時期になると、選挙権がある学生たちには必ず投票することを奨励してきました。自分たちが生きている国、地域のことをまず考えることのできる人間になれ、ということです。どの候補者に、どの政党に投票するのかは個人の選択ですが、投票をすることをおろそかにしてはいけない、という指導をしてきました。これまでそのようなことを指導された経験がなく、当時の学生たちには戸惑いもありました。
 アメリカでは18歳は自立を意味しており、高校卒業後に親元から自立することが一般的とされています。以前読売新聞の企画で対談した、元阪神タイガースのマット・マートンも、“高校を卒業してまだ実家にいると、何かおかしいのではないか、と思われてしまう”と話していました。ここでいう自立とは、経済的な自立だけでなく、社会で生きていく上での総合的な意味合いがあります。当然18歳から選挙権を持てるので、政治的な選択もできるようになるよう、親は子育てをすることになります。そのためには、たとえ支持政党(例えば現大統領のオバマ氏は民主党なら、共和党)と違う大統領であっても、毎年1月に行われる一般教書演説のように、国のトップが国民に向けたメッセージには、子供と一緒に聞くことも推奨されます。子どもが自分の判断で重要な決断できる、という意味でも、18歳選挙権と自立はとても密接な関係にあるといえます。
 また、比較的身近にボランティア活動ができる環境があるアメリカにおいて、若者が日ごろから社会問題の解決のため、ボランティア活動などに参加することで、政治家にどのようなことを求めていくのかも見えてきますので、こうした経験は選挙の投票にも役立ちます。
 以前マートンとは大学で授業をしたことがありました。授業では若者の政治への関心も大きなテーマになっていました。マートンも18歳で選挙権を持って以降、すべての大統領選挙で投票をしてきたそうです。“自分の住む国、自分の住む地域のことを自分たちが考えないで、だれが考えてくれるのだろう。自分たちの住む地域、国をよりよくするために、政治に対し関心を持って、正しい選択をすることが重要!”と、日本の大学生に自身の考えを共有しました。
 今年アメリカは大統領選挙の年です。常に移民が流入している国で、チョイスの権利を強く持つ国民性は、選挙にも大きく影響をもたらします。現オバマ大統領は“Change!”を合言葉にアフリカ系アメリカ人初の大統領になりました。今年は新しい価値観を持った大統領候補が登場しています。1年という長い期間をもって候補者を国民が精査する、いわば政治家の就職面接のようなものです。今就活で奮闘する大学生ならわかるはずです、どれだけ厳しい目で面接官が接してくるかを。国民はその厳しい目を選挙の時、候補者一人一人に向けていくことが重要です。(つづく)

吉田良治さんBlog
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