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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】学習教育の行き先 学校で行われている道徳教育とは!?

 2015 年3月、文部科学省は学習指導要領の一部を改正し、これまで教科外活動だった道徳を「道徳科」として、数値評価を行わない「特別の教科」に格上げしました。小学校では2018 年度から、中学校では2019 年度から検定教科書を導入し、教科書に基づいた道徳の授業が完全実施されます。ここでは、これからの道徳教育を分析・総括します。
 
 「特別の教科 道徳」は「道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方(人間としての生き方)についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」ことを目標としました。目標を達成するための内容項目は、従来通り4つの視点から構成されていますが、児童・生徒の発達の段階や環境の変化に合わせて一部順序を改めるなど、それぞれ細かな改善が図られています。
 
・指導内容の4つの視点
□「A 主として自分自身に関すること」

 自己の在り方を自分自身との関わりで捉え、望ましい自己の形成を図ることに関するものです。自律的に判断し、責任のある行動をする[自由と責任]、安全に気をつけ、よく考えて行動し、節度ある生活をする[節度、節制]、自分の特徴に気づき、短所を改め長所を伸ばす[個性の伸長]、より高い目標を立て、努力して物事をやり抜く[努力と強い意志](中学校では加えて向上心、真理の探究、創造等)を扱います。

□「B 主として人との関わりに関すること」
 自己を人との関わりにおいて捉え、望ましい人間関係の構築を図ることに関するものです。身近にいる人への[思いやり]、家族など生活を支えてくれている人々への[感謝]、時と場合に応じた適切な行動をとる[礼儀]、異性についても理解しながら、人間関係を築いていく[友情]、自分の考えや意見を相手に伝え、自分と異なる意見や立場を尊重する[相互理解]等を扱います。

□「C 主として集団や社会との関わりに関すること」
 自己を様々な社会集団や郷土、国家、国際社会との関わりにおいて捉え、国際社会と向き合うことが求められている我が国に生きる日本人としての自覚をもち、国家および社会の形成者として必要な道徳性を養うことに関するものです。法やきまりの意義を理解した上で進んでそれらを守る[規則の尊重]、誰に対しても差別をすることや偏見をもつことなく、公正、公平な態度で接し、正義の実現に努める[社会正義]、働くことや、その意義を理解し、公共のために役に立つ[勤労、公共の精神]、家族の一員として進んで家族の役に立つ[家族愛]、協力し合って楽しい学級や学校をつくる[集団生活の充実]、我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、国や郷土を愛する心をもつ[伝統と文化の尊重]、他国の人々や文化について理解する[国際理解](中学校では加えて遵法精神、社会参画等)を扱います。
 
□「D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」

 自己を生命や自然、美しいもの、気高いもの、崇高なものとの関わりにおいて捉え、人間としての自覚を深めることに関するものです。生命がかけがえのないものであることを理解し、生命を尊重する[生命の尊さ]、自然の崇高さを感じ取り、自然や動植物を大切にする[自然愛護]、美しいものや気高いものに感動する心をもつ[感動、畏敬の念]、よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、人間として生きる喜びを感じる[よりよく生きる喜び]等を扱います。

・「考え、議論する」授業へ
 「心のノート」を全面改訂した新教材「私たちの道徳」は、伝統文化や、「日本人としての自覚」を深めるテーマ、いじめ問題への対応、社会貢献、情報モラルなどの題材が重点的に盛り込まれています。その他、歴史上の偉人の伝記や名言だけでなく、近年活躍した人物やスポーツ選手らのエピソードも数多く紹介され、内容の充実が図られています。学力だけでなく、豊かな人間性を育て「考え、議論する」道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うものとされています。全教育課程の中で、児童・生徒の道徳性を養うだけでなく、形式的な授業から実践的な授業へと、道徳教育の質的向上が期待されます。(文/ 学林舎編集部)