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Cross Road 第59回 夏休みの過ごし方 文/吉田 良治

 7月も中旬となり、まもなく梅雨明け、そして夏休みが始まります。夏の思い出というと私はスポーツ(アメリカンフットボール)の練習が強く印象に残っています。近年地球温暖化の影響で、日本では毎年のように40度前後の猛暑日が続き、スポーツの現場だけでなく、一般の社会生活においても、熱中症の危険が高まっています。私が選手としてアメリカンフットボールをしていたころ、気温が高い日でも32〜33℃くらいでしたから、今日その気温なら結構涼しく感じるかもしれません。それでも当時でも熱中症は起こりましたので、今日の状況でスポーツをすることは、最悪命を落とすことにつながります。スポーツ活動には十分な配慮が必要になります。
 アメリカではスポーツ活動は通常シーズン制を採用しているため、時期によって活動できるスポーツが決まっています。春は陸上競技や野球、秋はサッカーやアメリカンフットボール、冬はバスケットボールやバレーボールです。夏に試合が行われるスポーツはないので、夏休み中は秋にシーズンを迎える競技の強化練習くらいになります。
 アメリカでも地域によっては熱中症のリスクがあるため、練習時間などに制限を設け、体の負担を取り除くことが求められています。競技力を高めるために、厳しいトレーニングをすることが求められるトップアスリートであっても、例外なくこの規則を厳守することが求められます。また日本でいう合宿に当たるトレーニングキャンプも、私がワシントン大学でアシスタントコーチをしていたころ、日本同様1日2回練習が当たり前でしたが、2000年代に入り熱中症の死亡事故が増え、1日2回練習を2日連続して行うことができなくなりました。NFLにいたってはキャンプで1日2回練習は禁止となっています。スポーツで強くなることと命を引き換えにしない!、ということです。
 アメリカでとてもユニークな取り組みとして、夏休みの期間に子どもを預かり、子どもにスポーツを指導する取り組みがあります。競技力を高めることを目的とせず、むしろライフスキルやスポーツマンシップが育まれることをベースにプログラムを組み立てています。アメリカでは一般的に子こどもが一人になると親が責任を問われます。家の中であってもこども一人でいることは親の罪となります。子どもが夏休みでも、親は平日なら仕事をしなければいけない場合、夏休みの時期1日子どもを預かってくれるプログラムを探し、子どもたちをプログラムに参加させます。特に人気があるのはスポーツプログラムで、ライフスキルやスポーツマンシップを身につけることに主眼が置かれているものは、親、そして子供に大変好評です。
 人種差別や暴力、そして殺人事件が絶えないアメリカにおいて、子どもがスポーツを通じて正しい生き方を学ぶ機会を得ること、心身ともに健全な成長につなげていくことをスポーツ界が支援することは大変重要なことです。スポーツ界が率先してそのような機会を子どもに提供していくことは、社会貢献としてとても重要といえます。(つづく)

吉田良治さんBlog
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