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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】教育の行き先 人口減少にともなう教育の変化

 平成28 年7 月に総務省が発表したデータによると、日本の総人口は1 億2699 万人で、0〜 14 歳人口は総人口の12.6%、15 〜 64 歳人口は60.4%、65 歳以上の人口は26.9% を占めています。義務教育を受ける15 歳以下の人口は、団塊の世代をふくむ65 歳以上の人口の半分以下となっており、少子高齢社会がこのまま続けば、今後さらに15 歳以下の人口が減少すると予想されます。
 ここでは、小・中学校と塾における人口減少にともなう教育の変化について、それぞれ分析・総括します。

□小・中学校
 団塊の世代が小・中学生であったころに建てられた小・中学校は、人口減少の影響を受け、現在ではすでにその多くが統廃合されています。また、国が標準としている、1クラス40 人を下回る児童数・生徒数で1学級を編成する少人数学級が、全国で実施されています。これは、児童数・生徒数が少なくなっているからこそ、少人数学級にし、先生が一人一人をきめ細かく指導することが目的です。
 しかし、少人数学級を実施する小規模学校では教育上の課題もいくつかあります。例えば、クラス替えができずに人間関係や相互の評価が固定化されたり、多様な意見に触れることやバランスのとれた教職員配置、グループ学習がそれぞれ困難になり、学校行事、部活動に制約が生じたりします。また、教員一人当たりの業務が多くなり、若い教師への指導技術の伝達が困難になることが大きな課題であり、これを解決することが求められています。さらには、近年のグローバル化によって、これからの教育では、広い視野をもち、諸外国の人々と十分なコミュニケ−ションをとることができる人材を育てることが重要です。そのためには、一方的に教えられる「受け身」の教育 から「課題解決型」・「生徒と教員の双方向授業」へ転換することや、教員の質の向上と数の充実が必要だと考えられます。


□学習塾
 文部科学省によると、2006 年を除いて、1998 年以降の学習塾の市場規模はほぼ1 兆3,000 億円台で推移しており、市場が停滞傾向にあると考えられます。塾業界は二極化し、業界全体の2割の塾は業績が好調で、残りの8割は経営に苦しんでいる状態です。
 ゆとり教育実施をきっかけに、保護者のなかには「公立小・中学校」に不信感をもつ人が増え、私学ブームがおきました。また、少子化によって子ども一人にかける教育費が高くなりました。この2つの動きに柔軟に対応した塾が、人口が減少した現在でも業績を上げています。それ以外の塾は淘汰・再編され、大手に買収されてきました。
 このような厳しい状況のなか、最近では他の塾との差別化をはかろうと、未就学のうちから生徒を囲い込み、大学受験まで一貫したサービスを提供したり、社会人向けの講座を開設したりして、ターゲット層を増やす戦略を展開しています。また、学習塾のなかには自治体と提携し、教育ノウハウを伝授する教員向け研修を実施したり、教育プログラムを提供したりする動きが見られます。今後は、このような自治体や学校と連携して行う教育サービスが、よりいっそう活発化するのではないかと考えられます。(文/ 学林舎編集部)