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【GAKURINSHA TOPICS】教育の行き先 進路に向き合う

 昨年末に公開された「学校基本調査」では、平成28 年3 月の中学校卒業後の状況、高等学校(全日制・定時制)卒業後の状況がまとめられています。

・中学校卒業後の状況は、合計1,169,415 人中、高等学校等進学者が1,154,373 人(98.7%)

・高等学校(全日制・定時制)卒業後の状況は、合計1,059,266 人中、大学等進学者が579,738 人(54.7%)
 高校・大学への進学率は、依然として高い状況にあります。


 過去20 年を見てみましょう。高校等への進学者は20 年以上に渡り95% を超えており、中学校を卒業したら高校へ進学する、というのは、きわめて標準的な進路とされていることがわかります。いっぽう大学等への進学者は、20 年前の平成8 年が39.0%、10 年前の平成18 年が49.4% と、右肩上がりの傾向にあり、今後も、一定数の高等学校等卒業者が、大学進学を進路に選ぶだろうと予想されます。
 しかし、多くの人が高校や、大学への進学を選ぶからといって、全員が同じような進路を選ぶ必要はありません。
 たとえば平成28 年3 月の「学校基本調査」では、高等学校(全日制・定時制)卒業後に専門学校(専門課程を有している専修学校)への進学を選んだ者は173,396 人(16.4%)、正規の職員等としての就職を選んだ者は187,404 人(17.7%)でした。全体の3 割以上が、大学進学以外の進路を選んでます。
 また、実際に高校に行っていなくても、文部科学省が実施する「高等学校卒業程度認定試験(高認)」という試験に合格すれば、満18 歳以上の誕生日の翌日から、高校を卒業した者と同等以上の学力が認定されます。この認定があれば、大学受験資格を得たり、就職の際、一部の自治体や企業から高校卒業者と同等に扱われたりすることができます。この試験制度を利用して、18 歳になった時の大学受験資格を得て、それまでは夢のために海外留学をしたり、そのまま海外の大学に入学したりする人もいるようです。この試験は、受験する年度末までに満16 歳以上になる者であれば受験することができます(ただし、既に大学受験資格を持っている人は受験できません)。
 一度社会へ出てから、専門的な技能・資格の必要性や、学ぶことの大切さを改めて実感して、大学や専門学校に入学し、勉強と仕事を両立させている者も少なくありません。こういった需要に応える形で、多くの大学や専門学校では「社会人入試」を実施し、学びを希望する者に門戸を開いています。もちろん、社会人入試であっても、大学受験資格を有していなければ大学を受験することはできません。中学校卒業後に社会人になった人が大学受験を希望する場合は、まず、高認に合格しなければなりません。
 2013 年3 月に、日本青少年研究所より発表された「高校生の進路と職業意識に関する調査―日本・アメリカ・中国・韓国の比較―」では、進路を考える際の気持ちは、アメリカは楽観的、日本と韓国は悲観的、中国がその中間にあると述べられています。たとえば、進路について考えるときの気持ちが「将来どうなるか不安」だという項目について、「はい」と回答した日本の高校生は83.6% という高い値を示したということです。高等学校への進学率、大学進学率の高さは、こういった気持ちの表れのひとつなのかもしれません。
 今後も高校への進学、大学への進学を選ぶ人は多いと思われますが、高校・大学への進学ではない道もあるのだという考え方も、進路選択のときには必要です。(文/学林舎編集部)