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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】学習教育の行き先 算数どこでつまずく くり上がり・くり下がりの計算

 現行学習指導要領における算数科の目的は、「算数活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち道筋を立てて考え、実現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気づき、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる」ことです。
 この目的を達成するために、各学年の学習内容の構成が決められています。学習内容の構成を低学年から順を追って確認していくと、例えば、A「数と計算」の領域では、第1 学年で1 位数の加減、第2 学年で2位数の加減、第3 学年で3 位数や4 位数の加減…と、発達や学年の段階に応じてスパイラルによる教育課程が編成されていることがわかります。つまり、学年間で継続して同系統の内容を学習していくため、理解が不十分なまま先の内容に進んでしまうと、次のステップの理解が妨げられてしまう可能性があります。
 スムーズに第6 学年までの内容が理解できるよう、今回から5 回にわけ、算数でつまずきやすいといわれている単元の内容を分析していきます。第1 回は、「くり上がり・くり下がりの計算」のつまずきポイントを以下にまとめます。

■くり上がりの計算とは
 第1 学年では、数の概念から学習をはじめ、「2+3=5」のようなくり上がりのない計算を経たうえで、「6+7=13」のようなくり上がりのある計算を学習します。くり上がりのある計算をするとき、「6+7」であれば、「7 を4 と3 にわけ、6 に4 をたして10、10と3 で13」というように、まず10 のまとまりをつくってからさらにたす、という方法で解くよう指導します。

■くり上がりの計算でつまずいてしまう原因と指導法
 くり上がりの計算でつまずいてしまう原因の1 つとして、数の概念が身に付いていないということが考えられます。「2+3=5」のくり上がりのない計算では、手を使い、指で数え上げることで答えを導き出すことができます。しかし、くり上がりのある計算では手を使って数え上げることでは答えを導き出せないので、「7 を4 と3 にわける」などの「数の分解」をし、「6に4 をたして10」などの「数の合成」をして、答えを導くことになります。くり上がりのある計算でつまずいてしまう子ども達は、この「数の分解」や「数の合成」などの数の概念が身に付いていないことが多いです。くり上がりの計算が苦手な子ども達には、まず「10 はいくつといくつ」など、数の概念を理解させながら指導していくことが有効的だと考えられます。

■くり下がりの計算とは
 くり上がりの計算と同様、第1 学年では「13−6=7」などの、くり下がりのある1 位数の計算を学習します。くり下がりのある計算は、「13−6」であれば、「13 を10 と3 にわけ、10 から6 をひいて4、4 と3 で7」というように、13 を「10 といくつ」に分解してからひく、という方法で解くよう指導します。

■くり下がりの計算でつまずいてしまう原因と指導法
 くり下がりの計算でも、数の概念の理解が不足していることが原因の1 つとして考えられます。10 以上の数を「10 といくつ」に分解する力や、10 から数をひくときに、「10 は6 と4 だから、10 から6 をひくと4」などと10 を分解してから考える力が必要になります。くり下がりの計算が苦手な子ども達にも、おはじきやブロックを使うなどして、数の概念を視覚的に考えるところから理解させていくことが大切です。
 今回は第1 学年で学習するくり上がり・くり下がりの計算に焦点を絞り、分析しました。くり上がり・くり下がりの計算は、第2 学年以降でも学習する大切な単元です。つまずくポイントを踏まえて、適切な指導をしていくことで、第2 学年以降もスムーズに内容が理解できるよう、はたらきかけていくことが大切です。(文/学林舎編集部)