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【GAKURINSHA TOPICS】教育の行き先 2017年度中学入試総括

 2017 年度は、関西圏では1 月14 日の統一入試日を、首都圏では2 月1 日の主要校の入試日を皮切りに、中学入試時期を迎えました。
 関西圏(二府四県)の延べ応募者数は昨年度より893 人増加して55,696 人、統一入試日の1 月14 日午前のみの応募者数は昨年度より120 人減少し17,657人となりました。応募率は9.71%(応募者を二府四県の公立小学校在籍者で割って算出)となり、三年連続で上昇していますが、受験者数の実態に近い統一入試日の応募者数は、少子化に伴い二年連続で減少しています。
 一方、首都圏(一都三県)の2 月1 日午前の受験者数は、昨年度より432 人増加して37,017 人、応募率は13.0%(応募者を一都三県の公立小学校在籍者で割って算出)となりました。東京都と神奈川県の私立中学を第一志望とする受験者のほとんどが2 月1 日にいずれかの学校を受験するため、首都圏の私立中学受験者の実数も増加したと考えられます。
 今春の入試で注目したいのは、従来の2 〜 4 科目型入試に加えて新たな入試形態を導入した学校が増加した点です。首都圏では英語の選択入試を行った学校が95 校、適性検査型入試を行った学校が120 校にのぼりました。2020 年度からの大学入試改革以降の大学入試で求められる「思考力・判断力・表現力」、さらに「創造力・協働力・コミュニケーション力」につながるもので、早くも中学入試に反映された動きと考えられます。関西圏では、公立中学一貫校の人気が高まり、近隣に所在する私立中学で適性検査型入試が導入されています。今年の4 月に開校する大阪府立富田林中学校は定員120 人に対し603 人の応募(倍率5.03 倍)があり、京都府立洛北高等学校附属中学校(応募倍率4.71 倍)、京都市立西京高等学校附属中学校(応募倍率4.66 倍)を上回る人気となりました。創設4 年目を迎える神戸大学附属中等教育学校も受験者834 人に対し合格者167 人(実質倍率4.99 倍)となりました。これらの学校との併願を視野に、上宮太子中学校、龍谷大学附属平安中学校、親和中学校などで適性検査型入試が導入されました。また、西大和学園中学校では、21 世紀型特色入試(各種検定の取得者や各種コンクールの受賞者、入賞者を対象とする専願入試)と英語重視型入試が導入されるなど、やはり2020 年度以降の大学入試改革を意識した、新たな入試形態が導入されたものと考えられます。
 今後、いわゆる伝統校、最難関校では大きく入試形態を変更することは少ないと思われますが、各教科の出題内容は、今以上に思考力を重視したものになると予想されます。中堅校においては、いかに優秀な生徒を確保するかという視点からも、すべての入試形態を変更するのではなく、前述のような適性検査型入試、AO入試を部分的に導入する学校が増えることが予想されます。ただし、一芸一能だけを求めるのではなく、基礎学力の判定や、総合的な人間性、教育理念の理解などを含めて評価されるという点には留意しておきたいところです。
 今春はエコ入試の普及で、Web 出願を採用した学校も増加しました。また、共学化に踏み切り、人気が上昇した学校もあります。私立中学では少子化に伴い、さまざまなニーズにいち早く対応している学校には人気が集まり、伝統校であっても対応が遅ければ人気を落とすという二極化が進んでいます。それぞれの学校の特色に加え、独自の学校改革や新たな取り組みに注目が集まりそうです。(文/学林舎編集部)