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【GAKURINSHA TOPICS】教育の行き先 2017年度高校入試総括

 2017 年度の高校入試が終了し、新高校1年生の新たな生活がスタートしています。今年度の東京都、神奈川県、大阪府の高校入試の傾向について調査した結果をまとめ、昨年度と比べてどのように変化したのか、また今後どのように変化していくのかを分析します。

□公立高校・私立高校受験者割合
 まずは、公立高校および私立高校の受験者割合についてまとめます。2017 年度の高校入試において、東京都では公立中学校卒業者の約58%、神奈川県では約76%、大阪府では約67%が公立高校全日制課程を受験しています。3都府県とも、昨年度より志願者の割合は増加していました。私立高校においては、東京都で約75%(1月27 日正午時点)、神奈川県で約70%(2月1日15 時時点)、大阪府で約101%(2月6日正午時点)が応募しています。大阪府の私立高校受験者の割合は100%を超えており、複数の私立高校を受験する人が多いことが分かります。公立高校定時制課程の志願者については、東京都で約4%、神奈川県で約3%、大阪府で約1%となっています。

□公立高校入試問題の分析
 次に、公立高校入試問題の傾向について分析します。

○英語…東京都では長文の穴埋め問題として自由英作文が出題され、読解力と記述力が試されました。神奈川県では資料の読み取りを伴った長文問題が出されました。大阪府ではリスニングにおいて、英文を読み取った上で聞き取り、内容の理解を求める問題が出されました。どの都府県も、単なる記述や聞き取りだけではなく、複数の力を活用する問題が出されています。

○数学…3都府県とも記述で解答する証明問題が出されています。東京都は特に問題文が長い傾向にあり、問題を解くためには文章を読み取る力が必要です。

○国語…東京都では700 字程度の長めの論説文が出され、知識問題が減少しました。神奈川県では会話文の内容と資料を読み取り整理する記述問題が出されており、大阪府では文章自体は平易ですが、正確に内容を読み解く力が求められる内容となっています。

○理科…3都府県とも、実験や観察の結果から考察する問題が出され、科学的・論理的に考える力が問われました。教科書の範囲内ではありますが、それらを理解し、活用する力が必要です。

○社会…3都府県とも、知識偏重の問題ではなく、資料を読み取る問題が出されており、知識を身につけた上で資料を活用する力が求められています。

□今後の高校入試について
 2020 年度に行われる大学入試制度改革では、従来の「知識・技能」を確認する問題だけではなく、「知識・技能を活用する」問題が出される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されます。この改革では、「思考力・判断力・表現力」を総合的にみることを改革の主軸においています。特に英語では、これまでの英語教育で身につけた「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能を、総合的に評価するとしています。また、高校教育と大学教育の一体化(高大接続システム)を目指して、高校における教育が見直されようとしています。
 これらの改革に向けて、高校入試でも「思考力・判断力・表現力」を問う問題が増加しているといえるでしょう。知識を蓄えるだけではなく、内容を理解し、様々な資料を読み取った上で、自分の意見を表現できる力が求められています。(文/学林舎編集部)