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【GAKURINSHA TOPICS】2020年学習指導要領の行き先 算数(数学)・国語はどう変わる

 2017 年3 月、文部科学省より新学習指導要領が公示されました。小学校は2020 年、中学校は2021 年から、この新学習指導要領に基づいた教育が始まります。今回は、算数・数学、国語の変更点について、焦点を絞って解説していきます。

□算数・数学はどう変わる?

 まず前提として、新学習指導要領では、「事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだし、問題を自立的、協働的に解決し、解決過程を振り返って概念を形成したり体系化したりする過程」、つまり、ある問題を数学的な観点で、主体性をもって解決する過程を重視することが掲げられています。この問題解決の過程は、「日常生活や社会の事象」と「数学の事象」という2つの側面から成り立っているといえます。意見交流や議論を通じて、この2 つの事象について、身近な問題の解決をはかり、子どもたちの主体性を育むことをねらいとしています。
 これらをふまえた大きな変更点に、「データの活用」の深化が挙げられます。具体的には、以下のような変更点があります。

・「代表値(平均値・最頻値・中央値)」を小学校6 年生へ移行(現行では中学校1 年生)。

・小学校6 年生で、「ドットプロット」(分布の様子を点で表すグラフ)を追加。

・「四分位範囲」「箱ひげ図」を中学校2 年生へ移行(現行では高校)。


 これらの動きは高校の学習内容ともリンクしており、新設の「数学C」は、「データの活用」などで構成されます。ビッグデータ時代の到来を見据えて、データを扱える人材を育成したいという意図が読みとれます。
 また、小学校の算数科では、プログラミング的思考を身につけるための授業も新設されることになります。


□国語はどう変わる?

 国語科の新学習指導要領では、「言葉による見方・考え方」という言葉が掲げられており、「言葉による見方・考え方」を働かせられる言語分野の能力を、「主体的・対話的で深い学び」によって育成することが軸となっています。

・言葉による見方・考え方
 現行の学習指導要領にも「ものの見方・考え方」という用語はありましたが、それは国語の領域に留まるものではなく、全体的な枠組みや考え方として捉えられていました。今回、「言葉による」という冠がついたことで、従来よりも国語の領域に踏み込んだといえます。「言葉によって」自己や世界のなかの事物を捉え、意見を発信し、また他者の意見を取り込み、深め合う。そのような言語を通しての見方、考え方を働かせられるようになることで、子どもたちが将来を生きるための資質・能力を身につけることが期待されています。

・主体的・対話的で深い学びの実現
 では「主体的・対話的で深い学び」をいかに実践し、「言葉による見方・考え方」を目指していけば良いのでしょうか。1 つの指導例を挙げてみましょう。「あふれる」と「こぼれる」のような類義語を例にとって、子どもたちに普段どのように使っているかを問い、個人個人で用例を表にまとめさせます。その後、グループのなかでそれぞれの表を共有し、話し合います。自分がどのように言葉を捉えているかや、他者との捉え方の違いに気づくことで、言葉に対する多角的で深い理解が醸成されていきます。
 今後はただ単純に知識を反復させる教育だけではなく、このようにより主体的な対話型教育が主軸に切り替わっていくことが予想されます。自己を表現し、また他者の意見を理解するための語彙を得て、様々な考え方と結びつけていくことで、より深い学びを実現しようとしています。(文/学林舎編集部)