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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

○Cross Road 第70回 今年はライフスキルが熱い 文/吉田 良治

 これまで日本の様々な世代に向けて取り組んできたライフスキルプログラムは、私がワシントン大学でアシスタントコーチとしての仕事を通じ、実践の現場で培ってきたことがベースにあります。日米の文化的な違いはあれど学生アスリートのみならず、子どもや若者の人生をサポートする教育として、日本でも大変重要な取り組みとなっています。特に日本に戻って2 つの大学でコーチをした際、取り組んだプログラムはそのベースとなっています。
 そして現在はシアトル・マリナーズがシアトル市内の小学校で実施しているD.R.E.A.M Team プログラムという、小学生向けのライフスキルの取り組みを大阪市内の小学校で展開中です。私が番組のパーソナリティを担当するFM OH !の“ みんなともだち”(毎週土曜日8:25〜8:30)では、ライフスキルをテーマにした内容を中心にお伝えしています。D.R.E.A.M Team プログラムを実施している小学校からは、プログラムを受けている生徒が毎月一回番組で夢の作文を発表しています。そして今年3 月から4 月にかけては、高校生と大学生のアスリートによる、それぞれのライフスキルについての考えとその実践例を紹介しましました。そのうち高校生の事例については、朝日新聞でも取り上げられました。
 今年5 月からは大学の学生アスリート向けに、ライフスキルを基にした本格的なアスリート教育がスタートしました。今年は1 年生向けを完成させ、次年度からは全学年向けのプログラム完成を目指しています。スポーツ庁が進めている大学スポーツ改革、日本版NCAA 創設の動きは、基本的に大学スポーツの産業化という一面が目立ちますが、アスリート教育やキャリア支援などのサポート体制の整備も大きな柱となっていきます。
 しかし、大学4 年間でできることには限りがあります。よりきめ細かなプログラムサポートを実現する上で、シアトル・マリナーズの“D.R.E.A.M Team プログラム”のように、子どもや若い世代からライフスキルを整えていくための教育と、その体制の整備をすることが必要となります。
 先日大学スポーツの会合でお声をおかけくださった方がいました。以前コーチをしていた大学の職員の方で、私がコーチをしていたころは学生だったそうです。同じスポーツ施設で活動していた別の競技をされていたそうで、その競技の監督と私の部屋が隣同士ということもあり、私のことも覚えていてくださっていました。その方は部活中心で学生時代をおくられ、今から思うと教育を受ける機会を逃し、大変もったいない学生時代だった、という気付きがあるそうです。そして私がアメリカの大学スポーツの現場や、日本の大学でコーチをしたチームで取り組んだことなど、著書『ライフスキル・フィットネス(自立のためのスポーツ教育)岩波ジュニア新書』で知り、現在関わられている大学のアスリートたちにも、「今、何をすべきかを伝える必要があると感じている。」と話されていました。私がその大学に関わった期間はそう長くありませんでしたが、私があの大学で行ったオペレーションにより、ライフスキルの種から小さな芽が芽生え始めていることに、とてもうれしくなりました。
 朝日新聞で取り上げられた元高校球児もそうですが、私がライフスキルの取り組みをしてきたところと、全く接点のなかったところからいい影響が出始めてきました。これまで以上にこのライフスキルの取り組みを推進し、他の分野からさらに良い影響が出て来ることを願います。
 マリナーズのD.R.E.A.M Team プログラムも今年が20 年目の節目となりました。継続することがライフスキルを磨くキーワードとなります。(つづく)


吉田良治さんBlog
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