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【GAKURINSHA TOPICS】科目学習の行き先 国語の世界

 小中学生の夏休みの国語の宿題といえば、読書感想文と相場が決まっているものですが、あまりに書けないせいで夏休みの最後まで残してしまって、泣きべそをかいている小中学生も珍しくありません。
 彼らの悩みは、結局「何をどんなふうに書けばいいのかよくわからない」ということに尽きます。このような悩みを持つ子どもは、何も感じなかったわけではなく、書く手順がわからなかったり、部分部分で様々な感想を抱いたからこそまとめきれなかったりすることが多いのではないでしょうか。こういう子どもたちに、どのように指導すればよいのか考えてみましょう。

@「学んだこと」を考えさせる
 読書感想文が教育の一環である以上、読書感想文を書くことを通じて、何らかの教育効果が上がっている必要があります。その教育効果とは、「読書を通じて成長できた」あるいは「勉強になった」という実感を持たせることです。
 ただし、このときこう感じた、このときこう思った、ということを並べるだけではまとまりのないものになります。一冊の本から何を学んだのかを簡潔に示すことで、感想文の軸になる内容を決めることが重要です。この軸が大きくずれている場合は、修正してから書かせることが指導の上で有効です。
 一回でよい感想文を書き上げ、そのまま提出できることはまれです。ここをもっと具体的に説明したほうがよいとか、ここを抽象的にまとめるとよくなるといった、「どう直せばよくなるか」という視点で添削指導するとよいでしょう。

A伝えたいことをまず示す
 中には、課題図書のあらゆる箇所について、いくつも感想を書き連ねなければならないと思い込んでいる子どもがいます。たしかに、最後まで読み通したことを伝えるために、全体の要約を短くまとめることは必要ですが、感想文の主題としては、一つの場面、一つの内容だけに絞ったほうが書きやすくなります。
 @で考えた「学んだこと」を示してもよいですし、自分が一番印象に残った場面を示すことから始めてもよいでしょう。そこから、なぜそう思ったのか、自分ならどうしたか、といった展開のヒントを与えることで、より詳しく書くことができるはずです。

B自分の体験と比較させる
 読書感想文は、課題図書の内容を自分の問題としてリアルにとらえてみるという態度で書くことが望まれます。
 そのためには、本文中のある場面をとりあげて、自分の体験や意見と比較させます。実体験を思い浮かべるということは、本文の内容をリアリティのあるものとしてとらえているという印象を与えるからです。もちろん、「成長した」ということを伝えなければなりませんので、「本の内容から教わることが多かった」といった内容を書くように指導しましょう。「自分ならそうしなかっただろう」「これまでぜんぜん違ったふうに考えていた」という場面を選ぶのがコツです。
 上記の内容を念頭に置いて、たとえば「走れメロス」の読書感想文を書くとすると、その枠組みは「『走れメロス』は、メロスが友情を貫き通す話だ。メロスが親友セリヌンティウスのもとに戻ってくる場面では、相手のことを少しでも疑ってしまったことを理由に、お互いに相手に自分を殴らせる。ぼくは、メロスが無事に帰ってきて親友の命を救ったのだからそれでよいのでないか、何も殴り合うことはないと思った。しかし、考えてみると、ぼくは友達にうそをついてしまうこともあるので、友達にはできるだけ誠実であろうとするメロスたちと比べて、恥ずかしいような気がした。
 これからは友達に少しでも誠実に向き合っていきたいと強く感じた。」
といった内容になるでしょう。(文/学林舎編集部)