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【GAKURINSHA TOPICS】日本の行き先 進んでいく少子高齢化

 日本の人口の年齢構成は、2016 年時点で0 〜 14 歳が12.4%、15 〜 64 歳が60.3%、65 歳以上が27.3%となっており、他国に比べて65 歳以上が非常に多く、14 歳以下が非常に少なくなっています。今後、さらに少子化、高齢化が進むと考えられています。総人口も2008 年をピークに、以降は減少しており、日本は世界でも類を見ない超少子高齢社会になってきています。このような日本の社会のあり方について、国は約10 年前から調査・検討を進めてきました。その結果、地域の住民がつながる「地域共生社会」の実現が必要だと結論づけました。この「地域共生社会」の考え方をいち早く取り入れていたとされる、地方公共団体の例を見てみましょう。

○小川村(長野県)
 村の郷土食である「おやき」を名物として売り出すために、1986 年、第三セクター方式によって会社を設立しました。高齢者が通える範囲に工房を置き、定年をなくしたことで、20 代の若者から80 代の高齢者までが、同じ会社で働くようになりました。これにより、技術が若者に受けつがれると同時に、高齢者も雇用されることで生活できるようになりました。


○多摩市(東京都)
 多摩ニュータウンは、建設から40 年以上が経過し、かつての子どもたちが成長して親元を離れた結果、夫婦もしくは一人暮らしの高齢者が増えてきています。この地につくられた「福祉亭」は、ボランティアで運営されている高齢者の支援活動を行う施設です。話し相手になったり、定食を提供したりする中で、近くの大学の学生も活動に参加し、若者と高齢者の交流が行われています。

○由布院(大分県由布市)
 由布院は、都会から遠いにも関わらず、定住人口があまり減っていません。これは、由布院は温泉で有名な観光地ですが、観光産業を支えるのは地域の住民であるとの考えがあり、この考えから地元でつくられた農産物を食事に取り入れたり、祭りなどを定期的に行ったりすることで交流や出会いの場をつくり、若者が由布院で仕事をもち、定住できるようにしてきました。
 これらの例のように、「地域共生社会」の実現には、現在だけでなく将来を見すえた上で、高齢者も若者も共に働きながら、自分の力で生きていけるようになることが必要です。また、同じ地域の住民の生活上の課題は、今現在もしくは将来の自分の課題であると考え、「他人事」ではなく「我が事」として、地域づくりに参加していくことが大切です。
 現在の国や地方公共団体による支援は、そのほとんどが「高齢者支援」や「子育て支援」など縦割りになっています。しかし、現実には、介護と育児の両立に悩んでいる世帯などがあり、支援が必要な要因は1つだけではないこともあります。このような多種多様なニーズに応えていくためには、公的支援も縦割りをなくす改革が必要だと厚生労働省も考え始めました。
 少子化、高齢化が進む上に社会的孤立まで増えると、日常生活のあらゆることへの支援が必要となりかねません。しかし、「地域共生社会」が実現すれば、つながることによって相互に暮らしを支えられるようになります。そのためには、わたしたち一人ひとりが主体となって、「地域共生社会」に参加する必要があります。(文/学林舎編集部)