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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】学習現場の行き先 変わる民間教育機関の役割

 日本は、少子化による影響で2000 年頃から大学・学部をえり好みしなければ、誰でも入学できる「大学全入時代」に入ったと言われています。大学合格を目標に指導してきた学習塾などに代表される民間教育機関は、今後、どのような役割を担っていくのでしょうか。

○学力向上の場
 大学入学が容易になったとはいえ、それは個々の学力が上がったということではありません。むしろ、勉強しなくても大学には入れるという意識は、子どもたちの学力の低下を招きかねません。また、大学側も生き残りをかけ、さまざまな取り組みをしている最中です。何をどのように学びたいかということがこれまで以上に意識されるようになり、魅力的な大学への受験は今よりも激化することが予想されます。保護者もそのことは十分に理解しており、その分、公共教育機関に比べて、子どもの伸ばしたい部分を自由に伸ばすことができる民間教育機関に期待が寄せられています。この期待に加えて、昨今では子どもの個性や適性を伸ばすことが重視されますので、例えば学年の枠を超えた授業やパソコン・映像を用いた自主学習を行う学習塾も増えています。

○社会的マイノリティの受け皿
 近年、いじめや家庭環境、金銭的事情といったさまざまな理由から、不登校になる子どもの数が増えています。これらの子どもたちの中には、学校に通うことは難しいけれども、それでも勉強は続けたい、と思っている子どもも数多くいます。生徒や児童全員に対して均質的なサービスを提供すべきとされている公共教育機関では、学校担任や養護教諭などが対応しているものの、それらの子どもたちを十分にケアすることは簡単ではありません。そこで、民間の団体が運営しているフリースクールなどが活躍します。公的なものではないフリースクールは、規模や形態などがさまざまなので、生徒たちに合った環境を選ぶことが可能です。

○放課後の子どもたちの集まりの場
 「小1 の壁」、「小4 の壁」ということばがあります。保育園では延長保育を実施しているところもあり、比較的遅い時間まで子どもの面倒を見てくれるため、仕事を持つ保護者にとって大した支障にはなりません。しかし小学校に上がると、公的な学童保育は18 時頃までに終わってしまうものがほとんどで、これはフルタイムで働く保護者にとっては早すぎる時間です。そのため、子どもが小学校1 年生になるタイミングで退職せざるを得ないという状況が生まれます。これが「小1 の壁」です。また、小学校4 年生以上になると、定員などの関係で学童保育に預けることがさらに難しくなります。よって、ここでも働くことをあきらめざるを得ない保護者が出てきます。これが「小4 の壁」です。学習塾や習い事などの民間教育機関は、遅い時間まで子どもを預けられますので、働く保護者にとって子どもを預けられる場所となります。

○生涯学習の場
 民間の教育機関は、子ども向けの学習塾やフリースクールといった、教育に関するものばかりではありません。学生や社会人、シニア世代を対象とした生涯学習の場も提供しています。芸術や文化、スポーツなど、さまざまな分野における学習の場を提供しています。そのような場を通じて人と人とのつながりが生まれ、個々の人生を彩りよいものとする手助けをしているのです。
 以上のように、民間教育機関は、公共教育機関では目が行き届かない部分をケアする役割が期待されています。そして、その期待は、少子化が進む社会においても変わることはないと言えるでしょう。(文/学林舎編集部)