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○Cross Road 第73回 イギリス・タイムズ紙の世界大学ランキング2017-18 文/吉田 良治

 毎年秋に発表されるイギリス・タイムズ紙の世界大学ランキングが今月初めに発表されました。トップ10 の顔触れは昨年シカゴ大学と同率で10 位だったカリフォルニア大学が今年は18 位に後退。変わって昨年13 位だったペンシルバニア大学が同率で10 位となった以外、昨年と同じ顔ぶれの大学が選ばれました。ただし、トップの大学の順位で昨年イギリスのオックスフォード大学が1 位となり、長年アメリカが守ってきたトップの座を奪いました。今年も1 位はオックスフォード大学で、2 位には同じくイギリスのケンブリッジ大学が入り、イギリスの大学が1 位と2 位を独占しました。3 位には2 年前までトップを続けてきたカリフォルニア工科大学とスタンフォード大学が並んで入り、以下マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、プリンストン大学、ロンドン帝国大学、シカゴ大学、そして10 位は同率でチューリッヒ工科大学、ペンシルバニア大学でした。依然として米英を中心に欧米の大学が上位を独占しています。
 アジアの大学では今年もシンガポール国立大学がアジアトップで全体の22 位となり、27 位に北京大学が続いています。特に中国の大学の躍進は目覚ましく、香港の大学を合わせると200 位以内に12 大学が入るなど、中国の大学力の急激な向上がみられます。日本国内の大学では昨年39 位の東京大学は今年46 位(アジアでは5 位)となり、過去最低の順位となった他、昨年91 位だった京都大学が74 位に上昇しました。その次は201-250 位に大阪大学と東北大学が入り、東京工業大学が251-300 位に入りました。安倍首相が世界大学ランキングトップ100 に日本の10 大学を、ということで始まったスーパーグローバル大学創成支援事業ですが、ここ数年日本の大学で200 位以内は東大と京大の2 大学のままです。予算をつけてもすぐに結果につながらないのが現状です。日本の私立大学では早稲田大学や慶応義塾大学が601-800 位に入っているなど、国内の私立大学の評価はなかなか上がっていません。
 日本では大学を受験する受験生の偏差値の高さのランキングが一般的ですが、大学力そのものを示すランキングはありません。ですのでどうしても学力の高さで大学を見る傾向にあります。なぜ東京大学がこんな評価なんだろう?と疑問に思われる方も少なくないでしょう。タイムズの場合教育力、研究力、研究の影響力(論文の引用数)、国際性、産業界からの収入の5領域、13 項目についてデータを収集し、大学の総合的な力を評価しています。そのため受験生の偏差値という数値は全く関係ないのが現状です。少子高齢化で若者世代の減少が続いている日本において、教育機関も国内の受験生だけを見ていればいい時代ではなくなっています。当然海外の留学生の獲得は最重要課題です。国内の受験生の偏差値ランキングだけでは、海外の受験生が日本の大学を進学先の選択肢する基準とはなりません。
 アメリカでは海外の留学生が100 万人を超えています。留学生の獲得は外貨を稼ぐ大きな収入源となっています。州立大学などでは留学生に対し、州内出身の学生の4 倍の学費を求める大学もあります。日本の大学も今後生き残りをかけて運営を考えるなら、当然海外の留学生獲得は大きな生命線となります。(つづく)


吉田良治さんBlog
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