本文へスキップ

教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

【GAKURINSHA TOPICS】学習の行き先 常用漢字について考える

□常用漢字とは何か

 「常用漢字」といえば、2010 年(平成22 年)に改訂された「常用漢字表」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。このとき、1981 年(昭和56 年)に定められた常用漢字に新たに196 字が追加され、「俺」や「嵐」といったような、現在、私たちが当たり前に使っている漢字も、ようやく常用漢字の仲間入りを果たしました。
 文化庁によると常用漢字表とは、

1.法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。

2.科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。

3.固有名詞を対象とするものではない。

4.過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。

5.運用に当たっては、個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである。

と定義されています。
 つまり、常用漢字とは、私たちが日常の生活で漢字を使うときに、この「常用漢字表」に掲げられた漢字と読み方(音・訓)をできるだけ使用するようにしましょうと、使用を推奨された漢字のことなのです。これらの漢字を使用することで、誰もが一定の数の漢字を効率よく使用することができるようになったのです。

□学校で常用漢字を学習する意味

 では、私たちが常用漢字を学校で学習する意味はどこにあるのでしょうか。
 実際に、日々の生活の中で常用漢字を意識して生活している人はほとんどいないと思います。「常用漢字表」が改訂されても、そのニュースを見た次の瞬間には使いたい漢字を使い、たまに出てくる読めない漢字に四苦八苦しながらも、特に大きな不自由を感じてはいません。しかし、このような生活を送ることができているのも、私たちがすでに常用漢字を学校で学んできたという背景があるからです。もし、常用漢字が定められていなければ、私たち一人一人が知っている漢字、使うことができる漢字に差異が生じてしまいます。そうなると、日常生活での漢字を使ったコミュニケーションに不都合が生じてくることは容易に想像できます。常用漢字が定められ、それをみんなが同じように学校で学習することで、私たちは知らず知らずのうちにスムーズな言語生活を送ることができているのです。

□漢字を学習することでどのような「知」が広がっていくのか

 常用漢字を含めた漢字というものは、非常に便利でおもしろいものです。一つの漢字を最初に覚えるときは確かに大変ですが、ある程度の数の漢字を覚えると応用が利くことに気付いている方もたくさんいると思います。漢字の組み合わせや、それぞれの部首の変換などによって、形が似ている漢字は、知らない漢字であっても、その共通性から読み方や意味を推測することができる場合も多々あります。例えば、「氵(さんずい)」を部首にもつ漢字は、すべて「水に関係するものごと」を表す漢字であり、これを知っていれば、その漢字自体を知らなくても「水に関係するものだから……」と、前後の文章と合わせてその読み方や意味を考えるきっかけにもなります。
 漢字一つ一つにはそれぞれの読み方や意味があります。そして、さまざまな組み合わせや変換を可能とするため、漢字を学習することで、暗記力だけではなく、創造力や発想力も鍛えられるのではないでしょうか。(文/学林舎編集部)