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○Cross Road 第75回 野球二刀流の大谷翔平選手から見える人間力 文/吉田 良治

 プロ野球北海道日本ハム・ファイターズの大谷翔平選手がメジャーリーグを目指します。高校卒業後すぐにメジャーリーグ挑戦を表明しましたが、日本ハムからドラフト指名を受け、日本のプロ野球経由でメジャーリーグを目指すことを選択しました。そして今シーズン終了を受け、先週正式にメジャーリーグ挑戦を表明しました。
 現在大谷選手が所属している日本ハムは、パシフィックリーグに属していますが、指名打者制を採用しているので、通常ピッチャーが打者としてプレーすることはありません。ですのでこれまでは、ピッチャーとしての出場しない試合に打者として出場してきました。アメリカのメジャーリーグでも、アメリカンリーグは指名打者制ですので、アメリカンリーグのチームに入ると、打者として出場する機会は日本ハムほど多くはないかもしれません。ナショナルリーグはセリーグと同様指名打者制ではないので、ピッチャーとして出場する際は、先発なら必ず打席が回ってきますので、ピッチャーでも打つ機会も出てきますから、恐らくナショナルリーグのチームの方が大谷選手を獲得する価値が高そうです。
 ところで、以前大谷選手はスキージャンプの高梨沙羅選手とテレビ番組で対談した際、もし生まれ変わったらどんなスポーツをしたいか、という質問に、“ せっかく生まれ変わるならアメフトをしてみたい”と答えたそうです。今から大谷選手がアメリカンフットボールをする、ということは現実的ではないにしても、アメリカでは高校、そして大学もスポーツはシーズン制ですので、一年間を通して一競技だけし続けることはできません。春、秋、そして冬と、最大で3 競技に参加することができます。例えば、春に野球をして秋にアメリカンフットボール、そして冬はバスケットボールをするということです。現在NFL シアトル・シーホークスでエースQB のラッセル・ウィルソンは、MLB テキサス・レンジャーズとも契約(実際プレーをしていません)しています。もしレンジャーズがラッセル・ウィルソンをシアトル・マリナーズにトレードをしたら、春から秋はMLB、秋から冬はNFL と掛け持ちをする、ということも実現するかもしれません。
 以前私がインターンコーチで参加したフロリダ大学のアメリカンフットボールチームには、ジェフ・デンプスという選手がいました。彼は春に陸上短距離、秋はアメリカンフットボールをしていました。そして学業でも優秀で、いわば三刀流をこなしていました。また、ボランティア活動にも積極的に参加し、四刀流を実践していました。年間を通して色々な活動に参加する意義について、一度デンプスに質問したことがありました。“ 色々な機会があるのに、一つのことしかしないのはもったいない。機会を無駄にせず色々なことにチャレンジすることで、人間力は高まっていく! ”と話していました。そして“ 時間がないことを言い訳にしない、そこが重要なキーワード”とデンプスは強調していました。
 メジャーリーグにはアメリカ以外からの国からもたくさんの選手が参加しています。しかし最も多いのはアメリカの選手です。彼らがどのようにして人間力を育んできたのか、厳しいプロ野球の競争社会では、むしろ“ バッターボックスの外”に出たとき、はじめて見えることもあるのかもしれません。日本という“Box”の外に出て違った価値観に触れ、大谷選手のさらなる飛躍を期待します。 (つづく)


吉田良治さんBlog
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