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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

学林舎NEWS 2016.12.6 個を生かす学びを目指して

○自分自身を教育する

 受験戦争、偏差値教育、学歴主義、年功序列と一本のレールの上をひたすら走り続けてきた時代に生きてきた私たち大人は、いまはじめて自分を省みる地点にたどりついたという思いがあります。本来、一番大切な「自分について真剣に考える時間」を避けて通ってきたことが子どもたちの教育に大きな影をおとしていることは間違いありません。子どもたちは、大人たちの背中に自分の道しるべを見いだすことができなくなっているのです。
 この責任は、とりもなおさず私たち大人にあります。子どもたちの標となる私たち自身を創造していかない限り、「教育」という名は地におちてしまうことでしょう。
 今、私たち大人が子どもたちと一緒になって自分自身を教育することを迫られています。

○評価の変わった社会を生きる

 大人たちの多くは、自分自身を測る尺度としてペーパーテストの点数・資格取得・学歴しか持っておらず、自分という人間が一体どのような存在であり、この社会をどう生き抜こうとしているのかを自覚的に取り出していません。本来ならば高校・大学・就職と自分史の分岐点で、自分を分析し、選択した道を自信をもって歩むのですが、社会という名のもとにしきつめられたレールの上を走り続けてきたことには間違いありません。
 しかし、このレールが使えなくなりはじめています。つまり、自分でレールをしかねばならなくなるのです。少子化による大学全入時代に突入し、大学は質の向上のため、海外から優秀な学生を招き入れています。そのため、就職という舞台において、競い合うのは優秀な留学生という状況が増え始めています。優秀な留学生は自分が生きるための"表現力”を装備しています。「自分は○○を学習し、○○ができるから会社にとって、自分は価値のある存在」であると言いきります。これからの社会において、かつての偏差値で測られる評価は消え去り、それぞれの個人の生き方、考え方が<表現能力>とともに評価されるのです。
 このような社会背景からも、今求められるのは、現在の自分は「何をしたいのか?」「どうしたいのか」というビジョンが必要なのです。そのビジョンを現実のものにするための行動力と責任能力が問われています。これらのことは、子どもたち以上に私たち大人に迫られた課題でもあります。

○個を生かす学び

 「個を生かす学び」とは一体どんな学びでしょうか。それは自分を生かすための表現力を身につけることです。すなわち、自分を他者にアピールする対話力と文章力を養うことなのです。これらの力をつけるには、自分の意見がなければなりません。理にかなった意見をもつためには、トータルな教養を必要とします。断片的な知識の習得では自分の意見をもつことができないことはすでに証明済みでしょう。21世紀の教育には、この断片的な知識を統合する自分の支柱の形成が何よりも要求されます。

 子どもたちが自分の意見をもてるようになるには、個々の成長にあった学習カリキュラムが必要です。家庭において、子どもと対話する中で、子ども自身が自分のカリキュラムを作成し、実行していくことが求められます。そのことによって、何よりも子ども自身が主体的に自分の学びを創り、より深い学びへの道をひらいていけるのです。断片的な知識は、調べるという主体的な必然性によって、自分の中の栄養となっていきます。
 こんな子どもたちの生き生きとした姿は、私たち大人にとって何よりのエネルギー源となるはずです。(文/学林舎 北岡)