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学林舎NEWS 2017.1.27 成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(5)


助動詞の使い方(2)

 成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(4)で述べたように、助動詞は単語の中でも特に主体的立場、状況を表す最も重要な言葉であり、日本語の文法の特徴を示すものです。例えば、英語では「went」「flew」は一語として扱われるが、日本語では「行った」「飛んだ」となって、動詞+助動詞の2語となります。このことから言語学者の間では「文節」を一語として扱うべきだという論も出てきています。日本語と英語の根本的な違いを認識していれば、単純に「助動詞」の存在を消しさることはできません。このことに関して、言語学者の三浦つとむ(1911年 - 1989年)さんは次のように述べています。

 「私 水 飲む」というかたちに語をならべただけでは、表現として不完全であって「私は水を飲む」と、いわゆる<てにをは>を使って語を連結するところに、日本語の重要な特徴があるといわれて来た。現象的に語と語の区切りがなく、ノベッタラ(*のんべんたらりのこと)に表現されているだけに、どこでどう語を区切るかについてもいろいろ異論がでてくるわけである。西欧のいわゆる屈折語(*三単現のSなど、語尾が変化した語のこと)はこれと対立的な形態で、語を区切って表現しているし、「私 水 飲む」で表現として完全なのである。ここに二つの問題が提出されている。第一は、日本語の<てにをは>に相当する内容を西欧の言語はどう扱っているのかという問題であり、第二はこれと関連するが、語を区切るか区切らないかは単なる習慣なのかそれとも内容のいかんと関係があるのかという問題である。これらの問題の解答は、言語の内的構造を検討してはじめて得られるのだが、前もって簡単に述べておくことにする。西欧の言語にも日本語の<てにをは>に相当する内容は存在しているが、その表現を省略したり、あるいは一語の形式をとらえずに単語の語形変化で表現したりする場合が多いのである。そのために形式上は自立した一語でも、内容は多面的、立体的なものになり、しかも単なる多面性ではなく対立した性格の認識を表現した部分が癒着し結合している場合(*unkindなど)さえすくなくない。日本語の形態の特殊性は、内容と無関係ではなく、内容的にも西欧の言語と異なった特殊性を備えているといわねばならない。
 西欧の言語は語を区切って表現するから単語の認定という問題は起こらないが、内容が多面的・立体的であるために言語学者が認識構造を解明できず、形態論ないし機能論にとどまっている。(三浦つとむ「認識と言語の理論・第3部」より)

 以上のことからも、日本語文法における「文節」の考え方は、発語の区切りとして考えるべきであって、「語」として考えるべきでないと考えられます。「単語」としての成り立ちと、その単語をどのように「伝達」するか、あるいは理解するかは、発語するものの主体的表現に大きく係わるのが日本語の特徴です。このように考えると、当然「文節」そのものにも大きく論議が及ぶことと思います。ここでは、「文節」に関してはさておき、「助動詞」は付属語として扱われていますが、逆に、独立語としての活用語のみでは、主体的表現としての伝達ができないことを踏まえて、助動詞の使い方の指導を学習現場では行っていただけばと思います。(文/学林舎編集部)

*「成長する思考力GTシリーズ国語」の「文のしくみ」は、文章を理解したり、書くことができるようになるための手続きの一つであることを理解していただき、細かい品詞の分類、あるいは使い方の指導に関しては、成長する思考力GTシリーズ国語 文法力特化などを活用していただき、随時ご判断していだきますようお願い申し上げます。解答に関しましても、標準解答としてご理解下さい。子どもたちが、読んだり書いたりすることのおもしろさを見つけることを何よりも第一目標として下さい。

成長する思考力GTシリーズ国語では6級で助動詞の使い方を学習します。

【成長する思考力GTシリーズ国語文法講座】

・成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(1)

・成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(2)

・成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(3)

・成長する思考力GTシリーズ国語文法講座(4)