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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

学林舎NEWS 2017.2.7 小学校英語導入について(2)


・指導のコンセプトを考える

1)日本語読解の観点から英語指導を考える

 前回では英語学習の基本も日本語と同様、文脈を読みとる、あるいは聞き取ることについて述べましたが、今回はさらに押し進めて、その指導はいかにしてなされるべきかを考えてみたいと思います。
 その前に、私がこの問題を考える理由は、学林舎で扱っているアメリカの教科書やアメリカの小学校で扱われている副教材の位置づけをもう一度考えるための一つとして、日本語読解の観点からも考えてみたいと思ったからです。つまり、これは英語での言語表現の育成教材を作ることができるかという思考上での実験的な意味があります。私はこれを書きながら、教材であればどんな形になるのかを想像しています。したがって、現場での直接的な指導理論としてはあてはまらないかもしれません。ただ根本的な言語表現への取り組む姿勢は、どんな立場のものであっても現場の熟練された指導者と同じ水準に達していなければならないと考えています。

(2)子どもたちが知っているを前提に

 まず、指導の原則を確認しておきます。たとえば、1歳の赤ちゃんは言葉はしゃべれなくても母親の顔色や声色から母親の言っている意味を充分理解し、信じられないぐらい多くの言葉を習得しています。つまり、感性とイメージで言葉を理解しているのです。最初の発語がいかに意味のない音声であろうと、赤ちゃんの頭にある知の一部なのです。発語されている言葉は氷山の一角に過ぎません。小学1年生(6・7歳)だから、英語ははじめてだからといって分かり切った単語の練習をさせるのは、子どもの好奇心に蓋をするようなものではないでしょうか。子どもたちの6・7年間という歳月を私たち大人はどう考えているのでしょうか。学習開始時の知識量を0と考えることからは、ひとかけらの能力を引き出すことも出きません。子どもたちは、6・7年間の歴史の上にある現在から出発しようとしています。子どもたちは、どきどきしながら新しい世界をのぞこうとしているのです。自分の知っていることをさらに深く、広げることを願っているのです。この子どもたちの期待を裏切らない指導こそが今私たちに求められています。

(3)推察できるから

 この子どもたちの期待に添うためには、まず何よりも個々バラバラな語彙の学習ではなく、文脈をもったコミュニケーションの成立を可能にする指導が必要です。それは文脈を読みとる力を育成することにあります。そして文脈を読みとるには何よりも推察力が必要とされます。では、推察力はどうして生まれるのでしょうか。それはすでに自分が持っている知識を引き出し、それらの上に、新しい条件や状況を加えることによって生まれるものなのです。従って、話されている言葉が何を意味しているかを推察できる場面の設定、あるいは書かれている言葉が何を意味しているかを五感を通じて推察できる場面の設定が必要になります。小学生ともなると子どもたちはかなりの英語に対する知識を持っています。子どもたちが日常使っている英語の数は100や200ではないと思われます。
 まず、子どもたちにマーケットに並んでいるジュースの種類をあげさせると、即座に5つ、6つの外来語をあげることでしょう。アップル、バナナ、ピーチ、グレープフルーツ、トマト、ベジタブルと大人顔負けにすらすらとあげることができます。発音はともあれ、子どもたちは明らかにそれぞれの名称が何であるかを日本語と同水準で理解しています。
 文字を書くことを急がなければ、文脈のない語彙だけの学習をする必要性は皆無に等しいでしょう。
 たとえば、マーケットのジュース売場でネイティブが指さしながら発語すれば、どんな子どももネイティブが何を求めているのか理解することができるのです。子どもはコミニュケーションの成立に喜びを感じるはずです。発語されるベジタブルジュースが聞き取れなくても、そのパッケージなどから子どもたちは自然と納得するはずです。一つひとつの単語の意味などこの対話には必要ないのです。推察できることから入れば、いちいち日本語に訳す必要はありません。音声と推察するイメージが同一のものとしてインプットされていきます。日本語に訳して再び理解するという構造の学習ではなく、英語は英語のまま受け取るという習得がこの段階では一番必要なのです。文脈を読みとったり、聞き取ったりするためにはそれがいちばん重要なことなのです。

(4)「知らない」から「知っている」への学習機会を

 ここで大事なのは指導するための文章、あるいは言葉のうち、40%〜60%はどこかで見たり聞いたりしたことがあるという記憶の底をたどれる語彙が使用される必要があります。そのことによって子どもたちは、聞く耳を持ち、あるいは読む努力に向かい始めることができるのです。
 相手の言っていることの理解が今度は自分の伝えたいことへと膨らんでいきます。それが発語になり、文字を書くという表現への取り組みになるのです。読みとり、聞き取りの次に大事なのは伝えたいことを自分の中で膨らましていくことです。ここで始めて習得過程から学習過程へ子どもたちは自然と入っていけるではないでしょうか。
 私たち大人が考えているほど子どもは無知ではありません。むしろ好奇心の旺盛さ、どん欲なまでの知的欲求は大人がかなうものではありません。子どもだからわからないのではないのです。子どもだからわかるのです。読めなくても読める、それが子どもの能力であることを忘れてはなりません。
 子どもは大人の難しい対話を耳をそばだてて聞いています。もちろんアメリカの子どもたちもそうです。対話に、文法導入の順序も、語彙の限定もありません。子どもは言葉そのまま自分のものにしてしまうのです。 (つづく)


参考文献
「ナチュラル・アプローチのすすめ」:スティーブソン・D・クラッセェン
「子どもの英語いま、こんなふうに」:東後勝明
「アメリカの子供はどう英語を覚えるか」:シグリッド・H・塩谷
「言語と精神」:N・チョムスキー
その他

<文/学林舎 北岡>


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○At-Home Tutor Reading Gr.k-英語導入レベル
□内容:5つの学習テーマ
1.Letter sounds 2.Printing 3.Rhyming 4.Sequencimg 5.Matching
単語をなぞったり、絵に色を塗ったり、絵や単語に○をつけたりしながら、アルファベット(A〜Z)を学習します。prekとの違いは単語や一文がでてくることです。Prekとあわせて活用することをおすすめします。アメリカの幼稚園やインターナショナル幼稚園で利用されています。 英語導入教材としてご活用ください。

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□内容:6つの学習テーマ
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□内容:4つの学習テーマ
1.Counting1-20 2.Addition & Subtraction 3.Shapes & Patterns 4.Time 5.Graphing
数を学習することを基本に、線で数字や絵をなぞったり、絵に色を塗ったり、絵や数字に○をつけたりしながら、計算問題(たし算・ひき算)なども学習します。アメリカの幼稚園やインターナショナル幼稚園で利用されています。Reading・Languageシリーズとあわせて英語導入教材としてご活用ください。

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