2018.05.19

【GAKURINSHA TOPICS】
学習指導要領改訂によって教科書どう変わる? -国語編

 新学習指導要領では、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱の目標が掲げられています。これらの目標のもとに改訂された、外国語[外国語活動・英語]と国語の新しい指導要領について、具体的な内容を整理します。 次に小学校、中学校の国語における目標と内容を整理します。

【国語】

1.目標
 「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱の下に、「言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を育成すること」を目指しています。「言葉による見方・考え方」とは、「対象と言葉、言葉と言葉との関係を、言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉えたり問い直したりして、言葉への自覚を高めることであると考えられる」と定義し、「内容」に今回追加された「情報の扱い方」に関する事項はこの目標に対応したものと言えます。

2.内容
 目標の3つの柱のうちの2つ「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力等」に分けて、内容が示されています。

・知識及び技能
言葉の特徴や使い方に関する事項
情報の扱い方に関する事項
我が国の言語文化に関する事項

・思考力、判断力、表現力等
話すこと・聞くこと
書くこと
読むこと

 なお、漢字25字が小学校4年生に移り、都道府県名で使う漢字すべてを小学校4年生までに習うことになりました。
 また、今回追加された「情報の扱い方」については、小学校、中学校で次のように示されています。

・小学校
 話や文章に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 共通、相違、事柄の順序など情報と情報との関係について理解すること。

・中学校
ア 原因と結果、意見と根拠など情報と情報との関係について理解すること。
イ 比較や分類、関係付けなどの情報の整理の仕方、引用の仕方や出典の示し方について理解を深め、それらを使うこと。

 これらの指導にあたっては、ICTの活用などで指導の効果を高めるように示されています。
 改訂によって内容に大きな変更はありませんが、「言葉による見方・考え方」をふまえた授業の充実化が期待されます。(文/学林舎編集部)