成長する思考力GTシリーズとろびたを学習してみよう
(求められる学力-成長する思考力GTシリーズ とろびた)
小さいときから繰り返し計算のトレーニングをしたり、漢字の練習をするだけでは、子どもたちは「自ら学ぶことの楽しさを知る」ことも「勉強の苦しさを乗り越える力を培う」こともできません。自分の経験の中から<学び>を発見し、「学ぶことの楽しさ」に出会ってはじめて、繰り返しのトレーニングも日々の勉強の苦しさも乗り越えるエネルギーが生まれます。かつてのように、テストのための<勉強>の時代ではもはやありません。
基礎的な知識を応用し、問題解決ができる能力があるかどうかが問われる時代になったのです。テストのために丸覚えし、テストが終われば丸忘れするという勉強で通用できる社会ではありません。
感性豊かな子どもたちは勉強アレルギーになったり、人の話に耳を傾けられない一見落ち着きのない子どもとして表れてきます。ここからは、文部科学省や社会が求めるところの「基礎的な知識を使って問題解決ができる能力を身につける」ようになる通路などどこを探しても出てきません。「自ら学ぶことを学ぶ通路」をまずつけておくことによって、学校での基礎的な知識が常に自分の経験と重ねあわされ、再構成されて「問題解決能力」が培われていくのです。「成長する思考力GTシリーズ とろびた」はまさに「自らの学び」の通路を開く教材です。
(教材の特徴-成長する思考力GTシリーズ とろびた)
学習対象者:未就学児童・小学校1年
形式:A4版・書き込み式 別冊指導書(解説・解答)付き
本体:40ページ(1-2) 本体:52ページ(3)
(とろびた1)
<かたちづくりのせかい>
まるやさんかく、しかくの「面の世界」を身の回りのものから発見する。次にそれらの形を組み合わせてできるものや組み合わせ方を取り入れた作業学習を進めることで考えることができるようになることを目標にしている。
<ことばづくりのせかい>
ここでは、色塗りをしながら、ものの名前を考えたり、なぞりながら書くことのおもしろさを経験したりする。また、もののようすや気持ちを表す言葉の使い方を考えることができるようになることを目標にしている。
<みんなとつくるせかい>
童謡や昔話、絵かき歌などを題材に、文の流れから言葉をうみだすことが体感できることを目標にしている。
(とろびた2)
<かたちづくりのせかい>
ボールやいろいろな箱の絵を見ながら、それぞれの特徴を理解すること。また、動物さいころなどを使って、向かい合う面や描かれている絵の形や向きを実際に自分で作って、立体のおもしろさを知ることを目標にしている。
<ことばづくりのせかい>
書き言葉の基本的な文脈を理解することを目標にしている。日常生活の様々な場面を切り取った双六遊びや絵を見て、主語や述語を体得していくことができるようになっている。
<みんなとつくるせかい>
家づくりや買い物、料理などを通して、観察の目を養うことを目標にしている。
(とろびた3)
<みんなとつくるせかい>
物語を作ったり、あさがおの観察記録や日記などを書いたりすることで、日常的に書くことへの道を拓くことを目標にしている。
<ことばづくりのせかい>
とろびた2で学んだ主語と述語を実際に書けるようになることや、文や図の構成、文脈を作り出すことができるようになることを目標にしている。
<かたちづくりのせかい>
積み木の組み合わせや展開図からのさいころづくり、さらに折り紙で作る様々な模様を、実際に作業をしながら体得していくことを目標にしている。小学生で学ぶ図形の基本的な考え方を身につけることによって、算数の基礎的な知識を養成する。
◎教材位置づけ
「とろびた」は、単純に覚えるためのトレーニング学習教材ではありません。子どもたちが学校の学習に入る前に、考える学習とはどんなものかを経験し、「考える学習の経験のしかた」を身につけるための教材です。成長する思考力GTシリーズとろびたでは、子どもたちの頭にすでに描かれているものをひきだし、再び発見させ、自覚させること、さらには新しい知識とすでに持っているものとを重ね合わせて、新しい自分なりに理解した知識を創り出させることを目的としています。
□学習・指導イメージ
指導イメージ1
とろびたの指導イメージは、いわゆるトレーニング型の個別学習と根本的に違います。GT国語・算数は、すでに学校的な学習に身を寄せている子どもたちに要約力や論理力を育成していくことですが、「とろびた」は、「学習を受け入れること」ができる「学びの素地」を育成することにあります。つまり、種をまくための大地を耕すことを目的としているのです。鍬で掘り起こしたり、肥料をやったりする大人の手を必要とします。
指導人数に関しては、個別(1:1)グループ別(1:2~1:5)でもかまいません。
指導イメージ2
「鍬で掘り起こす」ということは、先生が子どもたちの生活経験を言葉で呼び起こしてやり、新しい知識である肥料を注ぎ込み、新鮮な感動を与えてやることなのです。そこに子どもたち自身の経験と混ぜ合わせ、新しい肥沃な大地とする役目を担うのも先生なのです。
「とろびた」は、このような指導がスムーズにできるように編集されています。
1.子どもがおもしろいと思える授業ができる。色塗り、絵描き歌、童謡、折り紙、切り抜きなど授業が退屈しないように工夫されている。
2.3分冊で、段階的に学習レベルが上がっている。「とろびた1」「とろびた2」は、1回が「かたちづくりのせかい」「ことばづくりのせかい」「みんなとつくるせかい」で、およそ6ページ仕立てで6回分になっています。全体では40ページとなります。「とろびた3」は、8回分、52ページ。
1回1回はすべて見開きページで、わかりやすくなっている。難しいものもおもしろいと思えるような指導ができるように工夫されている。
3.指導提案が書かれた解説・解答(別冊)付き。
指導イメージ3
基本的には、就学前の子どもを想定して作成されています。したがって、年長~小学1年生の3学期までの子どもたちが、一番適切です。GT国語・算数10級に入る前の段階として考えられています。しかし、これはあくまで一般的な基準です。小学3年生であっても、学習モードができない子どもや年少であっても好奇心の強い子どもは、十分楽しめると自負しています。
指導イメージ4
指導イメージの例をあげてみます。
1.5~10分間 学習モードへの切り替え
子どもたちの思考を「学習モード」に切り替えるために、最初の5~10分間は、「読み聞かせ」「音読」「とろびたのテーマにそった対話」なども含め、学習姿勢をつくることが重要になってきます。そのため、授業をはじめる前の挨拶などをしっかりおこなってください。
2.20~30分間 「とろびた」の学習
考える学習として「とろびた」をおこないます。ただし、原則として1回(2ページ)しかさせません。それ以上できる子もできない子も1回分学習するということを原則とします。理由としては、「とろびた」という教材を「あきさせない」ということと、負担のない学習範囲を決めることによって「集中力」をつけます。
答え合わせは、子どもたちと一緒におこなってください。子どもとのコミニケーションを図る機会なので、じっくりと対話してください。
3.5~10分間 対話
「とろびた」終了後、子どもとの対話をおこなってください。「今日の学習はどうだった」「集中してできた」など。
*上記の使い方は「とろびた」を主体としたカリキュラムの一例です。
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