2019.07.19

2019年学習の行き先 学習意欲を高めるには!?

 
  「コインに裏表があるように、あるいはコップを横から見るのと下から見るのとではまるで形が違うように、物事には見る角度によって見え方はぜんぜん違う。」

 現在のパナソニックの創業者である松下幸之助氏がかつて言ったように、物事は人によって捉え方が異なります。学習に対する意欲についても同じことが言えるでしょう。学習に取り組む意欲を高めるにはどのようにしたらよいのでしょうか。
 そもそも、なぜ学習に対して意欲的になれないことがあるのでしょうか。原因の1つとして、目の前にある物事に対して興味が持てないことや苦手意識があることが考えられます。人間は興味があることや好きなことに対しては、集中して取り組むので、十分な結果を得られることが多いです。そうして得た達成感は、「次も頑張ろう」という次への動機づけにつながります。一方で、興味がないことや苦手なことに取り組むときは、あまり集中することができず、予定よりも時間がかかってしまったり、よい結果を得られなかったりします。その結果、興味や自信をさらになくしてしまい、「もうしたくない」と負の感情を持ってしまうかもしれません。
 先ほど述べたように、意欲的に取り組むことはよい結果をもたらします。意欲は、人に言われて持つものではなく、自分でコントロールするものです。学習において、どのようにして意欲を向上させればよいのかを考えてみましょう。
 意欲を向上させるためにはまず、目的意識を持つことが大切です。「なぜその勉強をするのか」を前向きな視点で考えてみましょう。そして次に、それを達成するには何をすべきかを明らかにしましょう。このとき、作業を細かく分けると効果的です。高いハードルを跳ぶには大きな労力が必要ですが、低いハードルだととっつきやすくなります。また、人間の集中力はそう長くは続きませんから、小さな「できた」を少しずつ積み重ねることで意欲を維持することができます。
 さらに、作業を始める前に時間制限を設けるとよいでしょう。漠然と長い時間をかけて取り組んでもよい結果を得づらいです。大切なのは、どれだけ時間をかけたのかではなく、どれだけ意欲的に取り組んだのかです。このことを方程式に例え、「能力×時間×意欲=結果」と表す人もいます。かけ算の式ですから、どれだけ時間をかけたとしても、「意欲」が0であれば結果は0であるといえます。逆に、かけた時間が短かったとしても、「意欲」が高ければよりよい結果を得やすくなります。ですから、目標時間を設定して集中して取り組むことは、意欲を向上させ、よい結果をもたらすと考えられます。
 このように、学習に対して意欲的に取り組むことは、達成感や次への動機づけにつながります。これは苦手の克服にも活用できますから、結果として自分自身の成長にも結びつくと言えるでしょう。学習に限らず、身の回りのさまざまな物事に対して意欲的に取り組むために、まずは目的意識を持ったり、時間制限を設けたりするなど、小さなことから始めてみましょう。(文/学林舎編集部)