2019.12.18

新学習指導要領の柱「アクティブ・ラーニング」

 新学習指導要領の柱「アクティブ・ラーニング」が学校、民間教育機関で注目されています。文部科学省は、アクティブ・ラーニングに関して

「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。」

 アクティブ・ラーニングが注目された背景には「従来の板書型の学習形態では、知識を得ることはできても表現力を含め、自立した人材育成ができない」と判断したからです。当然といえば、当然です。ただ、アクティブ・ラーニングに関しては、学校現場においては完全に確立していないのが現状です。アクティブ・ラーニングは、板書型の授業と違って、時間も含めた継続性が求められる学習法です。そのため、現在の学校の学習カリキュラム、科目学習をすべてアクティブ・ラーニングに変更することは現実的に不可能です。そのため、従来の学習カリキュラムとはちがったアクティブ・ラーニング専用の学習カリキュラムを形成する必要があります。私が知るところで、唯一アクティブ・ラーニングを効果的に実践している教育現場があります。千葉県木更津にある「暁星国際学園 ヨハネ研究の森コース」です。このコースは、従来の学習カリキュラムを自立学習という形式に変更することにより、アクティブ・ラーニングを学習する時間を創りだしています。このコースでは、アクティブ・ラーニングと自立学習を中心に子どもたちは学習をおこなっています。このコースは開校して10年以上経ち、多くの表現豊かな卒業生を輩出しています。

 

暁星国際学園 ヨハネ研究の森コース

 

 暁星国際学園 ヨハネ研究の森コースは、特別なコースだからと位置づけられますが、アクティブ・ラーニングをアクティブ・ラーニングとして成立させるには、従来のカリキュラムや学習法をリセットする必要があります。学校は従来の受け皿に加えて、アクティブ・ラーニングを実践している教育現場と共創し、アクティブ・ラーニングに特化した学習コースをはじめる時期に来ています。(文/学林舎 北岡 響)