2020.05.15

親と子の距離感

親と子の距離感

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、休校がいまだに続いている地域も多くあります。こういった中でも勉強は続けていく必要がありますが、家庭学習において、親はどのように子どもに接すればよいのか、考えていきます。
 現在、自治体などの家庭学習への対応は、地域や学校によって差があるようです。日々の家庭学習を継続して行い、学力を保つためには、親の役割が大きいと言えるのではないでしょうか。
 まず、家庭学習の中心となるのは、漢字や計算のように、授業で習う基本的なものがよいでしょう。日々の学習習慣を途切れさせないためにも、毎日の宿題で出ているような計算問題や漢字、音読などの学習をさせましょう。
 教科書や市販の教材の問題に取り組ませるほかに、読書や、図鑑を使って調べ学習をさせることもできます。新聞を読んだりニュースを見たりして、自分の考えを言わせることも、子どもの力になります。

少子化学習

 現在の休校措置を受けて多く公開されている、オンライン教材を活用するのもよいでしょう。ずっと教材やノートに向かうだけでなく、たまには動画を見せてあげることで、理解が深まっていくこともあります。このとき、インターネットを際限なく使用させることはやめ、親の管理のもとで使用させましょう。
 次に、家庭学習に取り組む時間についてです。子どもの体力やその日の体調に応じて、無理のない程度に設定させます。家にずっといるのだからと、長時間にわたって勉強を強要することのないように注意しましょう。

親と子の距離感

 最後に、本題である家庭学習における親の役割についてです。学習中、常に親がつきっきりになってしまうとお互いにとってストレスになりかねませんので、子どもが自ら学習する時間、親と一緒に学習する時間を決めておきます。それも親が決めてしまうのではなく、話し合った上で、お互いが納得した形で進めていくとよいでしょう。
 時間も含めた「今日の予定」は自分で考えさせるようにしましょう。自分で考えた予定であっても、予定通りに進まないことはよくあることです。しかし、「なぜ予定通りに進んでいないのか。」という声かけをするのではなく、進んだ部分に注目し、褒めてあげることが、学習のモチベーションを保つことにつながります。
 家族団欒の時間には、今日はどんな問題を解いたのか、どこが難しかったのかなどの質問をするのもよいでしょう。新たに学習した内容については、自分の言葉で説明させることが大事です。特に子どもが小学生であるなら、そのときに、「え?それってどういうこと?」など、分からないふりをすることで、子どもは教えようとしてどんどん話すかもしれません。自分の言葉で説明させる機会を設けることで、より一層学習が定着するということもあります。また、その日学習した内容を、学習時間以外のふとしたタイミングで、早押しクイズのように問題を出すことで、子どもの理解を助けることもできます。「勉強をさせられている。」という感覚を植え付けてしまってはいけませんので、あくまでもゲーム感覚で、子どもが楽しめる範囲で試してみるとよいでしょう。

デジタル学習とアナログ学習の融合

 

 子どもだけでは、うまく学習計画を立てるのは難しいですが、親がすべてを決めてしまっては、子どもの主体性がうまく育ちません。予定や学習内容について親子でよく話し合いましょう。そして、子どもの意見を取り入れながら学習を進めていくことで、親子のほどよい距離感を保つことができるのではないでしょうか。(文/学林舎編集部)