2020.07.03

入試作文の書き方について

要約力を身につける

 入試における作文の書き方で大切なことは、読む人にわかりやすいような構成を考えて書くことです。その最も簡単な方法の 1 つは、序論・本論・結論に分けて作文を書くことです。

 「日本の文化について、あなたがふれたことがある文化をあげ、その文化にふれた体験にもとづいて、その体験から感じたことを作文しなさい」という課題が出たとします。

 この課題についての作文を書くとき、まず序論で、今から書こうとするテーマをわかりやすく示します。
「わたしは、この前の土曜日に、公民館で行われた『お年寄りとのふれあい広場』に参加して、おばあさんから、折り紙の折り方を教わりました」。序論で、このように書き出すことによって、読む人は、この作文のテーマが「折り紙」であることがはっきりとわかります。

 次に本論です。このときに、そのときの体験を具体的に、いきいきと書くことが大切です。
 「おばあさんは、にこにこほほえみながら、次から次へといろいろな形の折り紙を折っていきました。おばあさんのしわくちゃの手が動くたびに、紙が形を変えていき、最後には、動物や花の形になります。それは、まるで魔法を見ているみたいでした。『折り紙を折るときにはね、心を静かにしなくてはいけないんだ。少しでもいらいらしたら、きれいな折り紙はつくれないんだよ』おばあさんはそう言いながら、私たちにいろいろな折り紙の折り方を教えてくれました。おばあさんの言うとおり、心を静めて折るとうまくいきました」。

 このように本論では、会話文を入れることにより、体験談がいきいきとします。

 

中学英語ブロック・ステップ

 

 最後は結論の部分です。ここでは、体験談を通して、日本の文化について、どのようなことを考えるようになったかを書きます。
「わたしは今まで、折り紙のことをあまり知りませんでした。でも、おばあさんに折り方を教えてもらって、折り紙がすばらしい文化であることを知りました。日本文化には、折り紙のようにすばらしいものがたくさんあります。これからも多くの日本の文化にふれて行きたいと思います」。

 結論では、最後に前向きな気持ちを書けば、読む人によい印象をあたえます。
構成を考えて作文を書き終わったあとに、大切なことは読み返して、誤字や脱字、誤った表現がないかを確かめることです。特に主語と述語のゆがみには気をつけなければいけません。一つの文を長く書きすぎると、このような間違いを起こすことが多くなります。一文一文は適度に区切って、短く書くことが重要です。例えば、前述した結論部分を、「わたしは今まで、折り紙のことをあまり知りませんでしたが、おばあさんに折り方を教えてもらって、折り紙がすばらしい文化であることを知ったので、これからも折り紙のような日本文化にふれていきたいと思います」。とすれば、読みづらくなります。
 今回、説明したように、作文は技術面を学ぶことによっても上達していきます。そして、上達するためには、できるだけたくさんのテーマで文を書く練習をすることが大切です。(文/学林舎情報NO.135改)