成長する思考力GTシリーズが学校現場に
静かなそして熱い広がり
1998年秋の発売以来、成長する思考力GTシリーズは、全国の先進的な学習塾の先生方の支持を得て、その広がりを明らかにしています。
各塾の先生方の「こんな力を、子どもたちに身につけさせたい」という熱い思いと、学林舎の「こんな教材をつくりたい」という思いが見事なほどに合致した結果だと思います。
もちろん、両者のマーケティングが前提になっています。それは保護者、なにより子どもたちの「こんな勉強をしたい」というニーズの察知にあります。
それは、採用されたかなりの数の塾が「我が子」に成長する思考力GTシリーズをさせたということからもうかがえます。ある先生のお子さん(姉)がうるさくつきまとう妹にむかって、「○○ちゃん静かにして、いま考えているんだから!」といったというのです。
「こんな勉強をしたい」を子どもたちが待ち望んでいることを、わたしたちも実感し、感動したのです。
学年枠をこえる
わたしたちは、この教材を発売当初は小学生対象と考えていました。しかし、これ自体わたしたちの頭の固さ、判断力の鈍さがあったといわざるをえないものでした。この教材は、当時、各塾の先生方の判断によって、中学生にも与えられたのです。学習には小学生、中学生もないのです。必要とする学習者がそれぞれにおいて、学習をはじめればよいのです。発売当初、「幼稚園児に使わせたい」というご連絡をいただきました。「この教材は、未就学児童には難しすぎる」と判断された考えとは、まったく異なる発想でした。既存の年齢差や学年枠にとらわれないスタンスこそが、必要とされているのだと実感しました。
無学年のよさ
成長する思考力GTシリーズをご利用いただいている先生方からは「成長する思考力GTシリーズを無学年制で、学習させてよかった」という声をたくさんいただいています。同じ学年の子どもだけでクラス編成するのではなく、いろいろな学年の子どもが同時間、同空間で学ぶことの利点、長所はたくさんあります。
ひとつは、下級生の子どもが、上級生の勉強ぶりを見ながら育つという良さです。集中して学ぶということを、下級生は自ずと身につけていきます。
ふたつめは、上級生が下級生にアドバイスを自然におこないはじめているという現象があらわれてくるということです。しかし、これには塾長、あるいはスタッフの日頃のアドバイスぶりに大きく影響されます。
この静かなそして熱い広がりは学校現場にも広がっています。採用の理由は「自分の子どもが使って、学習効果が出た」「受験のための教材ではなく、本当の意味での読解力、表現力を身につけるには、成長する思考力GTシリーズがいい」などの声をいただきました。その背景には、求められる読解力、表現力の実像だと私は認識しています。テストで問う、読解力、表現力に違和感を感じ、自分の子どもには、テストのための読解力、表現力ではない、力を身につけさせたいという想いです。テストで良い点をとることは必要かもしれません。しかし、今社会で求められている読解力や表現力とは少し距離があると私は考えています。実社会で求められているのは、○×で評価できる読解力や表現力ではありません。相手の言葉や文章を理解し、自分の言葉で相手に伝える表現力です。テンプレートがあって、その通りに当てはめる学力ではないはずです。しかし、平等という観点から記述式の評価は難しいです。そのため評価する側も力量が求められます。成長する思考力GTシリーズ国語や要約力特化、表現力特化は評価が難しい教材と言えます。ただ、成長する思考力GTシリーズ国語や要約力特化、表現力特化は、学習者にも指導者にも本来の本質的な意味での読解力、表現力を体感できる教材だと私は考えています。(文/学林舎 北岡 響)
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