2020.09.10

アメリカの教科書に関するご質問-小学校から高校で使用している理科教科書について

 学林舎では、取り扱っているアメリカの教科書、教材に関するご質問に対して、メールなどで対応させていただいております。

 アメリカの小学校から高校で使用している理科教科書に関してご質問を受けましたので、ご提案内容を紹介させていただきます。

(質問内容1) アメリカの大学、もしくはシンガポールの大学へ進学希望を考えている理系の高校生(英検2級程度)を指導しています。知人から、インターナショナルスクールで使っているアメリカの教科書を指導の柱に据えた方がいいとアドバイスを頂きました。アメリカの小学生・中学生・高校生の理科教科書に関して、1冊から購入は可能でしょうか。

(質問対応1) ご質問ありがとうございます。英語のレベルが英検の2級ということですので、ネイティブの英語レベルと照らし合わせると小学校4-5年生あたりになります。海外の大学に留学ではなく進学の場合、アメリカの高校教科書を読解、要約できないとネイティブと同じクラスで学習することは困難になります。そのため、日本でできることはできるだけ日本で準備して、海外への大学に進学していただければと考えています。そのため弊社では、インターナショナルスクールで使用されている教科書を使って、準備学習することを推奨しています。取り急ぎ、理科の教科書に関して、インターナショナルスクールで利用されているものを下記に紹介したいと思います。

Science Fusion-小学校理科教科書(出版社:Houghton Mifflin Harcourt)

Science Fusion

Science Fusion

 

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

(写真/Science Fusion Gr.1-小学校1年生)

 

Science Fusion

 

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

Science Fusion

(写真/Science Fusion Gr.1-小学校4年生)

 日本の場合、教科書を中心に学校では学習指導がおこなわれ、知識の定着には教科書準拠のワークブックなどが学校内、学校外(学習塾など)で活用されています。アメリカにおいても5年前は日本と同じ形式をとっていましたが、現在は、ワーク形式の教科書で学習することが進んでいます。

 

Middle School Science Fusion-中学校 理科教科書(出版社:Houghton Mifflin Harcourt)

Middle School Science Fusion

Middle School Science Fusion

Middle School Science Fusion

Middle School Science Fusion

 日本では中学校は学年別、高校では分野別での教科書での学習指導がおこなわれていますが、アメリカでは、中学校から詳細な分野別での学習指導がおこなわれています。

アメリカの中学校理科分野別教科書

A: Cells and Heredity
B: The Diversity of Living Things
C: The Human Body
D: Ecology and the Environment
E: The Dynamic Earth
F: Earth’s Water and Atmosphere
G: Space Science
H: Matter and Energy
I: Motion, Forces, and Energy
J: Sound and Light
K: Introduction to Science and Technology

 

Science Dimensionsシリーズ(高校 生物・化学・物理・地学)(出版社:Houghton Mifflin Harcourt)

Science Dimensions Chemistry Student Edition

 2018年あたりから、アメリカの教科書の特徴が「Can You Solve It? or Can You Explain It?」で始まる、学習者に考えさせることを目的に作成され始めました。学習者に対して自分の考えを表現させることを学習目的の核においています。そのため、従来型の知識習得型の教科書ではなく、ワーク型、問題解決力を高める教科書になっています。

追記

 日本でもそうですが、「表現力の育成」を学習の柱にすることを文部科学省は推奨しています。理由は明確です。インターネット、デジタルの世界が拡張する中、世界は20年前と比較すると身近な存在になっています。例えば、Youtubeなどの動画配信は、日本国内だけではなく世界中の人々が目にしています。ビジネスの世界においても、動画による商品説明や広告はスタンダードになりつつあります。このような世界が加速化していく中、学習したものをつなげていく応用力、表現力が必要になります。そして、様々な情報を分析する力や問題を解決していく力が必要になります。

 学習において知識を習得、記憶することは大切です。今までは、それを覚えているか、同じようにできるかが問われてきました。今後は、知識を覚えているのではなく、知識を使えるかにあります。使える知識を、社会、生活、家族とつなげていくことができるかにあります。(文/学林舎 北岡)