2021.01.15

中学教科書改訂に関して-英語

 文部科学省が定める「学習指導要領」の改訂にともない、2020年に中学校の教科書改訂が行われ、2021年度からは中学校で新しい教科書が使用されることになりました。
 それでは、どのような変更があったのか見ていきましょう。

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【英語】
 小5、6で英語が教科化されたことを受け、中学校での学習内容も大きく変わります。アルファベットやあいさつ、日常生活でよく使う表現などは小学校で扱うため、中学校での学習は小学校の復習からスタートします。ただ、小学校ではこれらの表現を文法的な側面からは教えないため、中学校では小学校で身につけた表現をふまえて、文法や新たな表現・単語を学習していきます。英単語は、新出単語のうち、小学校で学習した単語と中学校で初めて学習する単語を分けて掲載する教科書もあります。このように、新教科書では、小学校で学習した内容との連携が意識されています。今回は、小学校英語を受けた学習時期の前倒しと、中学校での学習内容の追加項目の2つに分けて、中学校での英語学習の変更点について解説します。

 

☆小学校英語を受けた学習時期の前倒し
 一部の教科書では、従来、中2内容だった過去進行形や未来形を中1の1~2月ごろに学習します。また、これまで不定詞の3用法はまとめて中2で扱っていましたが、want toを小学校で学習することなどから、中1で名詞的用法のwant toのみを新出文法として扱う教科書もあります。中1に旧中2内容が下りた分、中2でも旧中3内容が移動しており、旧中3内容だった現在完了を中2の1、2月で扱う教科書もあります。このほか、一部教科書で学年間の移動があった文法項目の例は下記のとおりです。

 

・一部教科書で中2から中1へ下りた項目
was・were、過去進行形、未来を表すwill・be going to、There is、不定詞の名詞的用法

・一部教科書で中3から中2へ下りた項目
現在完了

 

☆中学校での学習内容の追加項目
 従来、高校での学習内容であった「現在完了進行形」と「仮定法のうち基本的なもの」は中3で扱われるようになります。また、「感嘆文のうち基本的なもの」が中学校で扱う内容として追加されています。このほか、追加された内容は下記のとおりです。

・主語+動詞+間接目的語+thatで始まる節
・主語+動詞+間接目的語+whatなどで始まる節
・主語+動詞+目的語+原形不定詞
・主語+be動詞+形容詞+thatで始まる節

 小学校から英語学習が始まったことで、学習内容は増えており、小・中・高接続に留意した、きめ細かな指導が求められます。