2021.06.17

考える時間(学習)をどうつくるか?

成長する思考力GTシリーズ国語

 

 “考える”にも色々な角度によって、見え方がちがってきます。大人にとっても“考える”は難しいことです。しかし、“考える”“考えさせる”時間を学習現場でもつことができれば、学習者にとってこれほど有意義な時間はありません。学林舎の成長する思考力GTシリーズは制作されて20年ほど経過しますが、根強くご利用いただいている理由の一つに“考える”“考えさせる”時間を学習者にあたえていることにあります。

 

家庭学習

 

 数年前、ある塾を見学した際に、GT算数を学習している子どもの様子を見るとブツブツと言いながら問題にあたっていました。普通の学習塾ならもしかしたら、時間の都合で答え合わせをするかもしれません。しかし、そこの塾には時間制限がありません。問題に対して、考えているということを評価のひとつにしています。塾長先生に聞くと「はじめは『わからない、教えて』の繰り返しでしたが、その都度『教科書・参考書を見てもいいから、自分で調べて考えて、それでも分からなければ答えを見てもいいから考えて』をいいつづけました。試行錯誤の連続でしたが、“考える”ことは学習の基本なので徹底させました。保護者の方にも入塾される時に徹底してこの指導についてはいいました。それでも、理解されるまで時間はかかりましたけど(笑)」。

 

成長する思考力GTシリーズを学習した後に

 

 “考える”“考えさせる”このことを明解にする言葉があります。「科学リテラシー」です。科学的な知識をもち、すじ道を立てて書く、計算するということがまさに「科学的リテラシー」です。
 これを単元という狭い入り方ではなく、科学全体とその中での位置付けから調べていくという方法論を習得させることが、今、求められる教養ではないでしょうか。
 今の子どもたちに、20年前以上と同じような学習の価値観をあたえるのではなく、私たち大人が体験、経験した中で必要となる「学習知」をあたえるのではなく、伝えるべきだと私は考えます。基礎学力(読み書き)は大切です。その基礎学力をいかして、自分の力で考え、生きるために表現していく力が必要なのです。

 成長する思考力GTシリーズは、20年前は難しい教材として位置づけられていました。しかし、今、この先を考えると成長する思考力GTシリーズは、表現力を身につけるための基礎教材のひとつとして私は考えています。昔も今も子どもたちにとって、先生にとって難しい教材かもしれません。しかし、自分だけの表現力を獲得していくには、問題や課題に対して「考える」ことができないと成長はしていきません。「考える」といいう当たり前の学習姿勢を成長する思考力GTシリーズで早い段階から身につけていただければと願っています。(文/学林舎 北岡)