中学受験の基礎教材として、成長する思考力ＧＴシリーズが使われている事例はあります。進学塾を中心に発行当時の1998年から現在（2021年）も利用されています。進学塾では、志望校にもよりますが、国語、算数とも5級を小学校5年生の3学期あたりまでには終了しています。中には5年生の1学期には、終了しているケースもあります。10～5級を通過することにより、小学生範囲の基礎・応用学習を身につけたことになります。4～1級に関しては、受験ででてくるような問題を中心に構成されていますので、志望校対策と同時に進めていき、夏期などのまとまった時間が取れるときに学習する場合があります。関東のある進学塾さんでは、2～3級を繰り返し学習する場合もあります。関西の方では難関校、灘、甲陽、六甲などを受験する子どもたちに対して、4～1級あたりを小学校5年生の3学期までに終了させ、6年生は志望校対策をおこなっている進学塾もあります。

　ただ、成長する思考力ＧＴシリーズのコンセプトはあくまでも子どもに「考える力」「考える機会」をあたえる教材＝素材と私は考えています。ご質問をいただく中で、「成長する思考力ＧＴシリーズを10～1級まで学習したら、難関校合格も大丈夫ですか？」「中学受験対策の教材として、成長する思考力ＧＴシリーズを学習すれば十分ですか？」というお声をお聞きします。そういったお声に対して、学林舎では「成長する思考力ＧＴシリーズは、中学受験対策教材ではありません。結果として、中学受験対策の教材のひとつとして使われています」。

教材は素材です。素材をどう使うかは、指導者、学習者である子どもたちによって効果は変わります。学林舎がひとつ言えることは20年以上もこの教材を使っていただいている指導者、学習者の皆様がいるということは、教材として素材として、魅力あるものだと判断していただいている何よりの“証”なのです。この“証”を維持するだけではなく、様々な変化＝提案をしていくことにより、教材、素材として、成長する思考力ＧＴシリーズは成長していくと考えています。（文／学林舎　北岡）

＊成長する思考力ＧＴシリーズの一部を自塾のオリジナル夏期講習としてご利用いただくケースがあります。その学習現場にあった形で成長する思考力ＧＴシリーズをご活用いただければと思います。例えば、「絵を見てだけ」を冊子にしたい、データを貸し出してほしいなどのご要望ありましたらご相談ください。