2021.07.09

基礎学力・子どもにあった学習法

共通テストから見えてくる 求められる学力

 

 学校の学習教育において、『基礎学力』とは何か?ということが問われています。焦点となっているのが読み・書きの能力の向上に加えて表現力の育成です。読み書きに関しては、30年、40年前と変わらず公立の小学校ではドリル練習(国語では漢字、算数では計算)が中心です。多少、昔と比較して、問題は変わっているかもしれませんが、ほとんど変わっていないというのが現状です。表現力の育成に関しては、小学校では普段の学習においても「自由思考(自ら課題を設定して考え文章化する)」「自由学習(テーマだけ決めて自由に文章表現をする)」を積極的に取り入れています。
 トレーニング学習においては、子ども(学習者)にとって好き嫌いがはっきりとここ数年ではじめています。漢字練習、計算練習は必要です。ただ、前提が必要なのです。分断化されたこのドリル練習はただ消化するだけのものとなります。そして、『基礎学力』に問われていることはひとつに『基礎学力』とは一体何なのかという問題であり、『ドリル練習』とは一体何なのかという問題です。
この2つの問題に対して私たちは、指導する側は位置づけを子どもと一緒におこなわなければいけません。

その一つに、子どもにあった学習法を考えるということです。

例えば、下記のような学習法です。

 

中止になった 全国学力テストから

 

1.全体のイメージをつかむ学習

 初めての単元を学習する場合は、100%の完全理解を子ども自身に求めるのではなく、まず、骨組みの理解を目標にします。
ただし、子どもがどの程度理解できたのかを確認しておくことが必要です。

2.学力を確かなものにする

 骨組みが理解できたら、次に全体を確実に理解しているかを確認しましょう。骨組みのイメージがしっかりしていないと子どもの学力は、不確かなものになります。理解できていなないと思ったら、骨組みをもう一度確認してみましょう。

3.目的のある学習をする

 最後に、子どもにとってどの問題ができるようになる必要があるのかを確認します。確認できたら、できるようになるために何が必要なのかを子どもと一緒に分析し、目的を明確にして弱点を克服しましょう。

 

 子どもひとりひとり個性があることは言うまでもありません。その個性を生かせるような学習法を子ども自身も模索しています。親子で一緒に考えることが難しい場合は、学校の先生はもちろんのこと、学習塾、学習教室の先生に相談することも必要です。夏休みという長期間の休みにおいて、課題をこなす前に学習法について考えることが、課題の効果を上げるひとつの方法です。(文/学林舎 北岡)