2021.10.13

科目学習の意味

徒弟制度

 

 科目学習の意味に関して、子どもたちは「なぜ?数学・算数(国語・理科・社会などなど)を学ばなければ行けないのか?」と考えている。日本、世界の学習システムがそうなっているからといえばそうかもしれない。しかし、人生の多くの時間を費やす科目学習の意味に関して、大人たちは子どもたちに意味を示す時期(時代)に来ている。
 教科書というひとつの指標が学校での科目学習には必ずついてまわる。この教科書の内容を決定しているのが、文部科学省が示す学習指導要領である。この文部科学省が学習指導要領を決定して、教科書を教科書会社が出版し、学校に配布され、教科書の内容を補完する参考書、教材が作成され様々な現場(塾、家庭)などで先行・復習学習される。これが、文部科学省が学校を基軸とした教育・学習システムである。

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 見方の一つとして、このシステムを成立させるために科目学習がある。ただ、ここで問題提起したいのは、“この学習システム自体が老朽化している”ということを前提に考えたい。すでに、文部科学省、一部の学校に関しては、老朽化が進んでいる部分に関しては、様々なてこ入れを始めている。例えば、英語学習においては、この十数年かけて、教科書内容、指導方法が変えられ、あと数年後には中学校・高校の英語学習の時間は、原則、英語でおこなうことが決まっている。英語だけではなく、数学、国語、理科、社会においても従来型の知識習得型ではなく、知識思考型の取り組みが開始されている。
 こういった状況下の中で、科目学習の意味を学習者の子どもに対してより明確に位置づけ、示すことが必要ではないだろうか。学校の成績、試験のための科目学習というのは、事実であるが、社会全体を見たときに無理があるし、限界にきている。それでも、“この学習システムは、当分つづきそうだから、とりあえずは大学に行っておけば”という回答を大人が子どもに示すのは無責任すぎるといえる。大人たちは、科目学習の意味を見直し、自分の言葉で科目学習の意味を表現することが求められるのではないだろうか。(文/北岡 響)